2017年12月26日

口から

言葉や文章で外に出た言葉、活字は訂正はできても戻りません。
口は禍の元、沈黙は金、雄弁は銀、雉も鳴かずば撃たれまい、
駟も舌に及ばず、病は口より入り禍は口より出ず・・・・・・。
口から不用意に出た言葉を戒める格言、諺はたくさんあります。
「できもしないことを言うな」「約束したやないか」そんなお叱りを
受けた方も多いと思います。

約束の約という字は、ひもで結び目を作り、取り決めの目印とする、
という意味がありますが、おおよそ、おおむね、ほぼ、だいたい、
そんな不確定な意味もあるようです。
不確定なものを束ねて約束、そういったことも現実にはあるでしょう。
たわいもない話の中でなら、そうした約束も大きな意味を持たないかも
知れませんが、マスコミ等で活字やテレビを通して発せられた言葉は
取り返しがつきませんし、アナウンサーが申し訳ありませんでしたと
頭を下げたところで傷つけられた人格は、すぐには回復しません。

スポーツ選手の中には輝かしい成績を残しても、その後の成績が
振るわなかったら酷評される選手もいますし、振るわなかった選手が
急に素晴らしい成績を残すと、持ち上げられて報道されることも
よくあることです。
テレビや新聞の報道の影響は良くも悪くも大きなものがあります、誤報道を
正すという作業は一市民ではかなり難しいものがあるようにも思います。

人が人を裁くということはできるのだろうかと考えた時期がありました。
今でも、その疑問はあります、自分を振り返って裁くだけの資格が
あるのだろうか、聖人君子として一点の曇りもない人生を歩んできたか。
その自問に「うん」と胸を張る自信はありません。

口から出る言葉すべてに全幅の自信と裏付けがあったか、答えは
ノーとしか言えません、先の約束も厳密にいえばその時期まで命があるか
誰にも保証はできません。
そう考えると・・・・・・・・ますます無口になってしまいそう。

Posted by いとう茂 at 23:55│Comments(0)
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