2018年04月04日

桜に思う②

桜前線が列島をいつもの年よりも急速に北上し、
これから東北、北海道へと駆けていきます。
北の桜守りの中で、小百合さんが傷んだ桜に手を真っ黒にしながら
墨汁と糊をこねたものを塗っているシーンがありました。
雨の日の夜で、あたりは暗かったのですが、まだ寒い北海道の
雰囲気がよく伝わってきました。
墨汁には殺菌作用があり昔から傷に弱い桜を守るために使われて
きたようです、最近では優れた防腐剤も出ていますので墨汁は
見かけませんが、これも先人の知恵だと思います。

花にまつわる言葉で坂村真民さんの言葉に
次のようなものがあります。
肩から力が抜けて気持ちが軽くなる言葉で、真民さんの
言葉の中で、好きなものの一つです。
「咲くも無心 散るも無心 花は嘆かず 今を生きる」
1年で咲く時期を心得て自分の出番を精一杯咲き切り、
時期が来ると表舞台から姿を消すように、次の花に出番を
譲っていきます。

昨日のブログとも関連するのですが、いつまでも桜が花を
つけていたら、花見に訪れる人はもっと少ないかも知れませんし、
散りぎわの良さで日本人にここまで受け入れられたかどうか。
咲いた花が散っていくように私たちもずっと同じポストに
留まることはできません。
散りぎわと同様に引きぎわも美しいものとそうでないものが
あります。
花の次は新緑の若葉を茂らすという役割を桜は演じて、
秋には虫に食われながら紅葉という役割を演じ切り、
冬にはありのままの姿の裸木をさらして雪や北風に
耐えて春を待つ役を演じる。

あなたがどんなにそのポストが欲しいと望んだところで、
その役割は回ってきません、演じることはありません。
隣の桜があなたより立派に見えるように引き立て役に
徹するのが、あなたの役かもしれません。
誰かかそう助言してくれたら、素直に受け入れ感謝の気持ちを
抱くということは凡人には難しいことなのでしょうか。

Posted by いとう茂 at 22:17│Comments(0)
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