2018年05月09日

大きい犬

2013年5月10日、朝、目が覚めると廊下でガラス戸に
寄りかかるようにして静かに眠っていた大きい犬。
ほんの3時間ほど前に見た時はゼーゼーと喘いでいたのに
死後硬直で塊になっていました。
あの日から明日でまる5年になります。
お前が生きた足跡はもうほとんど残っていないけど・・・・
首輪と廊下に残る薄くなったシミ、それと私の記憶、
そういえばデジカメにもお前が残っていたよ。

そちらはどうだ、広くて走り回れる場所はあるのか、
お前の親や兄弟と出会うことができたか。
誰か新しい飼い主ができたのか、それとも、誰にも飼われずに
家族で暮らしているのか。
私がそっちへ行ったら寄ってきてくれるか、間違っても
噛まずにいてくれよ。
お前の餌だけじゃなく何も持たずに行くことになるだろうけど、
歓迎してくれよ。

5年という歳月は長くもあり短くもあり、大きい犬の
ことだけでなく忘れていることもたくさんありますし、忘れようと
しても忘れられないこともあります。
人間の脳の構造はわかりませんが、覚えていないといけないことを
つい忘れてしまったり、
忘れた方がいい事をいつまでも覚えていたり、都合がいいのか
悪いのか・・・・・・。

どうせならボタン一つで保存や消去ができればいいのにと
思うこともありますが、経験の蓄積は成功よりも失敗の方が
人生の貯金になりそうに感じますので苦しいことや悲しいこと、
辛いことや悔しいこともしっかり覚えていないと、そう思う心は
いつもいつも成功するとは限らない自分への言い訳でしょうか。
以前の私なら、こんな夜はお酒を飲んで大きい犬の事や
これまでの失敗した出来事を思い返していたのでしょう、
最近はお茶に代わっていますが今夜は四国遍路の残りの
線香でもくゆらせてみます。

Posted by いとう茂 at 21:25│Comments(1)
この記事へのコメント
もう5年もなるのですね!何故か、全然関係のない私が市役所近所の動物病院の前を通るたびに、この大きい犬さんの事を思い出すのです。病院の方々の親切さと、大きい犬さんの運の良さとでも言いましょうか?何となくほのぼのしたものを感じております。本当に人間の脳は不思議ですね。最近は知り合いに逢っても中々名前が出て来ないと言うのに…きっと大きい犬さんは、あちらの世界で皆に可愛がられている事でしょう。
Posted by 剛大 at 2018年05月11日 03:20
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