2018年05月04日

その人を笑えますか㊺


「ヤギとブドウの木」

ブドウの木が芽をふくころ、一匹のヤギが柔らかい芽を食べに来ました。
ブドウの木は、ヤギに言いました。
「どうしてぼくを、傷めつけるの?
どうして、緑の草を食べ尽くしてしまったの?
きみにこんな事をされても、ぼくはきみが生け贄になる時には、
ちゃんとブドウ酒をたっぷり供えてあげるつもりなのに」

これは、友だちの物を盗む様な人でなしに聞かせて、
『恥ずかしい』と、思わせる為のお話しです。
仕返しされていることは時間が経つと身に覚えがないことと
忘れてしまいがちです、自分が先に相手に何かを
していても、自分は何も悪くないのにと相手を批判してしまいます。
吾、日に三省す。
この言葉を忘れたくないものです。


「ネコとニワトリ」

ネコが、ニワトリを捕まえました。
いつもなら、すぐ食べてしまうのですが、今日は一つ偉そうな
理屈をつけてから食べようと思いました。
そこで、
おい、ニワトリ、お前は悪い奴だ。
朝の暗いうちから大きな声で鳴いて、人間たちの眠りを
妨げるのだからな」
と、言いました。
するとニワトリは、
「そんな事はありません。
反対に、わたしは人間の役に立っているのですよ。
寝坊して仕事に遅れない様に、起こしてあげているのですから」
「・・・・・・」
言いやられたネコは、別の理屈を考えて、
「お前は、自分の母親や女兄弟にタマゴを産ませる、けしからん奴だ」
と、言いました。
ニワトリは、
「それだって、ご主人の為なのです。そのおかげで、
タマゴがたくさん取れるんですもの」
「・・・・・・」
ネコは、またやり込められました。
しばらく考えましたが、良い考えが浮かばないので、いきなり怒鳴りました。
「やいやい、偉そうな事ばかり言っても駄目だぞ。
お前がいくらもったいつけても、おれは腹ぺこなんだから」
そして、ニワトリを食べてしまいました。

悪い人が悪巧みを思いついたら、たとえはじめは利口そうな事を
言っていても、最後には正体を現して、平気で悪い事をする様に
なるものだと、このお話しは教えています。
悪い人といい人の見分け方が分かれば災難から逃れられるの
でしょうが、人を見極めるということは難しいことです。
それができれば人間は間違いをしなくなりそうな気がします。


「キツネと大きなヘビ」

キツネが、地面に長々と伸びて眠っている大きなヘビを見つけました。
「実に長くて立派だなあ。おれもあのくらい長いといいなあ」
と、キツネは思いました。
そして自分も伸びをすれば長くなるだろうと考えて、ヘビの隣に寝て、
一生懸命に体を伸ばしました。
「うーん、うーん」
と、頑張って、無理矢理体を伸ばそうとしているうちに、
キツネの体がビリッと裂けてしまいました。

このお話しは、自分よりも強いものと競争する人は、
無理をしすぎると相手に追いつく前にひどい目に会うというお話しです。
地に足がつかなくなると首つり状態になってしまいます。
身の丈を知るということは、時にはノーと言える勇気を
持つことが必要です。
人生は足し算の連続だと考えるか、人生は減点法だと
考えるか・・・・・・。

Posted by いとう茂 at 22:11│Comments(1)
この記事へのコメント
一見、文句を言っているようでも、言われているようでも、それぞれが生きる為に切実な声や悲鳴を上げている時もあります。
それを、どう汲み取り、調整するか・・・?! 政治は、それを汲み取り、調整する「人間の英知」だと思います。

今の政権もそうですけど、政治家は、先憂後楽、が肝心・・・!!!
民の思いや苦しみに敏感であって欲しいです。 
Posted by 夢想花夢想花 at 2018年05月05日 00:17
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