2018年08月01日

重たい気持ち

創立150年の小学校が閉校になりました。
原因は平成23年3月11日の東日本大震災の津波です、
この日に津波が襲ってくるということで小学校に避難した
人のほとんどが助かりました。
4階建ての2階まで水が流れ込み、1階の廊下は自動車が
3台とガレキであふれていたそうです。
海岸から500メートルあるかどうか、6メートルの防波堤の
はるか上、地上13メートルを超える津波は周囲の田畑を
飲み込んで小学校も飲み込む勢いで押し寄せたと言います。

避難するようアナウンスして集落を回っていた消防士は
小学校の玄関まで逃げてきたときに津波にさらわれ、
下の娘が避難していないと捜しに出かけた親子も帰らぬ人と
なりました。
津波警報で避難しても、すぐに戻ってくることになると
自治会長の説得を拒否して家に残った老夫婦も何組か
あったと言います。

震災の遺構として保存が決定し、最低限の工事の末に、
29年4月30日から一般公開を開始した小学校を訪れた人は
今年の7月末で10万人を超えています。
宮城県仙台市の荒浜小学校に行ってきました。
91名の小学生をヘリコプターで救助するのに12時間を要し、
その後さらに12時間をかけて集落の住民を自衛隊が
救助しました、その数は320人に上りますが、逃げ遅れて
犠牲になった人は190人を超えています。

今は、防波堤のかさ上げ工事が終わりその傍らに津波と
同じ高さの慰霊仏が建立されています。
集落のエリアは住むことを禁じられ、市民農園が僅かと
大部分が草むらになっていました。
必ず発生する地震、規模の大小にかかわらず、ここを
訪れた人は防災意識を新たにするのではないでしょうか。

そして、何とも言えない重い気持ちになるのだと思います。
奇しくも私が訪れた日は、小学校から500メートル先の
仙台市で唯一の海水場が震災後初めて海開きをした日でした。
残っている者と逝った者、同じ砂浜を見て発する声は
歓声と悲鳴です。

Posted by いとう茂 at 22:47│Comments(0)
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