2018年11月10日

共感した言葉⑥

前回に続いて伊藤肇さんの言葉を紹介します。
共感するかどうかは個人それぞれの考え方や、その時の
心理状態でも変わると思います。
私も再読や再々読で改めて心にしみる言葉があります。

良寛は、他人に法を説いたり、道を談じたりすることを
ひどく嫌った人だった。
しかし、言葉の使い方については、実にやかましく、
自筆の「戒語」も大部分は言葉に関する項目で
埋められている。

「言葉の多き 口のはやさ あわただしくものいう ものいいの
くどき さしで口 おれがこうした こうした 人のものいいきらぬ
うちにものいう わがことを強いて言いきかさんとする 人の話の
邪魔をする 鼻であしらう 酒に酔いて理をいう おのが意地を
いい通す あやまちを飾る ひきごとの多き 好んで唐言葉を使う
田舎者の江戸言葉 学者くさき話 風雅くさき話 悟りくさき話
茶人くさき話 たやすく約束する 人にものくれぬ先に何々やろう
くれて後そのことを人に語る 返らぬことをくどくど口説く
推し量りのことを夜来になしている 己が氏素性の高きを人に語る
ものの講釈したがる おかしきなくことを笑う 子どもをたらし
すかしてなぐさむ 憎き心をもて人を叱る」

口は禍の元、口から出た言葉は戻りません、出た言葉は
時として心が発した矢や毒となることがありますし、 
菩薩が人々を救うにあたって、人々を誘い仏道に導いて
いくための四つの方法(四摂法)のうちの一つである
愛語として深く浸透していく、優しいことば、親しみのある
心のこもったことば、人々に対する慈悲心から
発せられたことば、親愛の心をおこさせる言葉にもなります。

できればおいしいものや、栄養価の高いもの、体に良いものを
食べたいと私たちは思っています。
自分の中に入れるものはより良いものと考えるのに、自分の
中から出す言葉については、人を優しい気持ちにさせる、
安らかな気持ちにさせる、やる気を鼓舞する、そうした配慮を
せずに出していることがなんと多いことか・・・・・・。
自分の家の前のごみを両隣に掃いている姿とどれだけ
違いがあるのでしょう。

Posted by いとう茂 at 09:36│Comments(0)
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