2018年11月09日

淡海学園視察

今日は保護司会から児童自立支援施設の淡海学園に
視察に行ってきました。
児童自立支援施設は全国に58あり、淡海学園は1910年大津市に
開設され、100年を超す歴史があり、62年に甲賀市に移転しました。
全寮制で、職員夫婦が共同生活を送り、子どもたちの生活指導に
当たっています。
現在は非行や複雑な家庭環境など、さまざまな事情で学校にうまく
適応できなかった子どもたち15名が寮生活を送っています。
大半の子が虐待やネグレクトを受けた経験があり、家庭内暴力を
間近で見た子が6割に上ったというデータもあります。
子どもたちの学籍は卒業時にかつて在校した学校に戻り、
当時の校名で卒業証書を授与されるために、淡海学園の名前は
子どもたちの心にしか残りません。

入園に際しては、本人と保護者の同意が必要で、家庭で虐待を
受けた子どもは保護、非行に走った子どもは補導等を
経過して子ども家庭相談センターから送られてきます。
児童養護施設同様、特別な理由がある場合は20歳まで
在籍できますが、ほとんどの子どもは高校進学と同時に
家庭に帰るということです。

一日の日課は6時45分に起床し、掃除、朝食を済ませて
8時30分に登校、授業は午前中に40分が4時限あり
昼食後は作業やクラブ活動があります。
寮に帰って夕食後は金曜日以外は9時30分が就寝時間に
なります。
学校行事もクラブのほかに修学旅行やスキー、水泳、野球の
大会もあり運動会も実施されています。

視察を終えて感じたのですが、入園中に生活習慣やある程度の学力、
コミュニケーション能力を身につけることはできますが、高校
進学に必要な学力が身につくのか、授業時間数を考えると
少し疑問に感じたのと、中学校を卒業後の支援については
基本的に1年ということでしたので、そのあたりが不安でした。
息の長い見守りと支援、頭ではわかっていても費用と、人の
確保を考えると行政の限界なのでしょうか。
自分なりに考えてみたいと思います。

Posted by いとう茂 at 21:55│Comments(0)
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