2018年12月26日

社会の側面

私たちが生活している社会には様々な顔があります。
歓楽街では昼と夜では表情が全く違いますし、学校でも
平日と休日では賑やかさが違います。
縁あって保護司をしていますが、一昔前は自分から保護司と
名乗る人も少なく、陰で罪を犯した人の更生に動いている
人が大半でした。

少し前の情報ですが100万人の犯罪者が起こした事件、
犯罪数は約170万件あり、100万人のうち初犯が約71万人
再犯以上が、およそ29万人という統計があります。
では、170万件の事件のうち再犯以上の人が起こした事件は
どのくらいだと思われるでしょう。
初犯の人が約71万人ですから、事件も同数です。
そして、残りの97万件は再犯以上となります、犯罪全体の
約6割を再犯以上の人が起こしています。
再犯以上の人は、先ほど書きました29万人、3割ほどです。

現在、刑務所や拘置所に入っている人は5万人余り、これは
年々減少傾向にあります。
ただ、二度目、三度目といった複数回の再入者は全体の
6割を超えています。
その中でも女性の入所者や高齢者の入所が昔に比べて
非常に多くなっています。


再犯に走る主な原因は引受人がいないので帰る場所がない、
働き場がない、が主なもので、満期出所した人が帰る場所が
ない場合、1年以内に犯罪に走るケースは5割を超えていますし、
仮出所で保護観察処分になり、保護司がついた場合、保護観察
期間満了時に仕事がある人の再犯率は7,5%に対して仕事が
ない人は30%の人が再び罪を犯してしまいます。
では仕事につかせたらいい、そう考えるのが普通ですが、犯罪者を
雇う企業はまだまだ少なく、業種も限られてきます。
国の方針は受刑者を積極的に仮釈放で社会にだして、自立を
促す方向で進んでいます。
保護観察期間中、受け皿になる保護司も高齢化が進み、
2025年問題ではありませんが、団塊の世代がもうすぐ定年の
75歳を迎えます、働き方改革でこれまで定年後65歳まで
働いていた人が68歳、あるいは70歳まで雇用されるようになると、
保護司不足が生じるのではないかと心配しています。
おおむね65歳になると保護司になることができません、延びた
雇用期間と保護司の高齢化、再犯者が多いということは
自立へのハードルが高いということかもしれません、仮説ですが、
そうなると保護司も経験を必要とされます、すぐそこから負の
スパイラルが始まるように思います。

Posted by いとう茂 at 22:22│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。