2019年07月11日

クレプトマニア

今日は、第69回の社会を明るくする運動の協賛
更生保護関係者の集いでした。
保護司、更生保護女性会の会員を中心に100名あまりの
人が集まりました。
来賓には福祉関係の機関や団体から大勢の方にご参列いただき
花を添えていただきました。
講演会では、新しく着任した大津保護観察所の所長が講師になり、
表題のクレプトマニアについて話をいただきました。
おにぎりを1個盗んでも累犯であれば刑務所に収容されますが、
おにぎりを盗む人は食べるものがない、お金がないなど、
生活に困っている人が大半です。

一方、クレプトマニアとは、以下関係団体のホームページからです。

クレプトマニアは「窃盗症」や「病的窃盗」とも呼ばれる精神疾患の
ひとつです。
通常の窃盗行為は「○○が欲しいけどお金がないから盗んで
手に入れよう」というように、行為者が利益獲得を目的として
盗みを行うものです。
これに対して、クレプトマニアは、十分な資産を有しているのに
数百円の物の窃盗を繰り返したり、窃盗する物自体には大して関心を
持たないことも多くあります。
窃盗後は、盗んだ物を放置したり、一度も使わずに捨てて
しまうこともしばしばあります。

窃盗症(クレプトマニア)の診断基準
・個人的に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、
 物を盗ろうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
・窃盗に及ぶ直前の緊張の高まり
・窃盗に及ぶときの快感、満足、または解放感
・その盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものではなく、
 妄想または幻覚への反応でもない。
・その盗みは、素行症、躁病エピソード、または反社会性
 パーソナリティ障害ではうまく説明されない。

万引きの犯罪割合は全体の犯罪の30%ほどですが、65歳から69歳の
男性では43%を超えますし、70歳以上では50%を超えます。
さらに女性では65歳から69歳では、ほぼ70%で70歳以上では
82%に達します。
この中に、生活苦からだけでなく、クレプトマニアの犯罪も含まれます、
まだ治療法もはっきりとは確立されていませんし、医療機関も限定
されているのが現状で、徐々にしか普及していません。
こうした症状の高齢者が万引き犯罪人にの中で増加しており、
保護観察期間中のプログラムも確立されておらず、対応が急がれますし、
今後、社会問題になるかもしれません。
自分が生きてきた人生の経験だけでは対象者に適切なアドバイスや
指導ができない、薬物もそうですが研修や自分で勉強しないと
対象者に適切に接することができず、社会復帰が遠くなります。

Posted by いとう茂 at 20:52│Comments(0)
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