2019年10月14日

川は岸のために流れているのではない

台風19号がもたらした大雨の影響で、関東、東北の
35を超える河川で堤防が決壊し亡くなる方も出ていますし、
7000を超える家屋が浸水被害に遭いました。
報告が遅れていてまだ被害は大きくなりそうです
お亡くなりになった方のご冥福をお祈りします。
被害を受けた方々の1日も早い復旧を願うものです。
河川が決壊して大量の水が住宅地に流れ込む光景を見ていて、
東井義雄さんの、川は岸のために流れているのではない、
という詩を思い出しました。
自然災害とは全く違う事ですが、学校でも河川の堤防でも
人が関わっています。
どこまで子どもたちに関わればいいのか、どれだけの流水量に
耐えられたらいいのか、決めるのは現場の人間ですし、堤防の
強度を決める人間です。

川は岸のために流れているのではない、 川のために岸が
できているのです。
誰でもわかり切ったことですが、教師の考えや学校の方針に
あわない子どもを 「悪い子」「問題の子」「困った子」として
切り捨ててしまう風潮が横行しているのはどういうことでしょう。
子どものために「教師」があるのである子どものために「学校」が
あるのである 「できない子」のための岸になろう 「困った子」の
岸になろうそしてともどもに「真理」「真実」の海をめざそう。
そういう教師になろうそういう学校を創ろう川は岸のために
流れているのではないのだから 〈出典〉『東井義雄詩集』花神社

河川の堤防に限った事ではありません、東日本大震災の津波が
防潮堤を軽々と乗り越えて大きな被害を出したことや、福島の
原発事故も川のために岸が十分な役割を果たせなかった
例ですし、多くの地域で停電が発生したり、屋根が吹き飛ばされ
ビニールシートで急場をしのいでいる事実も、家電製品の
便利さや住まいの快適さに目が向けられ、そのもとになる
岸の安全性や強度が軽く見られたのではないにしろ、
想定していた以上に自然の猛威が勝っていた。
言い換えるなら、これ以上の災害が起きたら大きな被害が出ると
想定して、法律や基準が作られていた、と言えば言い過ぎかも
知れませんし、経済性とのバランスを考えない、ある一面からの
意見になりますが、かけがえのない命、そのことを改めて
考える機会だと思います。

「川は岸のために流れているのではない」
東井 義雄

川は岸のために流れているのではない
川のために岸ができているのである
分かり切ったことである
それだのに
教師の考え、学校の方針に合わない子どもを
「悪い子」「問題の子」「困った子」として
切り捨ててしまう風潮が横行しているのはどういうことか

子どものために「教師」があるのである
子どものために「学校」があるのである
「できない子」のための岸になろう
「困った子」の岸になろう
そして
ともどもに
「真理」「真実」の海をめざそう

そういう教師になろう
そういう学校を創ろう
川は岸のために流れているのではないのだから

Posted by いとう茂 at 21:34│Comments(0)
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