2020年11月07日

思い出し遍路㊷

またまた横道の話の続きです。
市営の船を降りて歩き出した時は7,8人の集団でした。
1時間もしないうちに3つのグループに分かれました、女性は後ろから
ついてきます。
時々追いついて話しかけてきますが、それ以外は気楽な一人遍路を
満喫できました。
緩やかな峠越えの道を下っていくと、軽自動車が前に止まって
女性が微笑んでいます。
「お遍路さん、これ接待です」そう言ってミカンをくれました。
ちょっと話しているうちに女性が追いつき女性にも接待。
お礼を言って歩き出そうとすると例の3人組も追いつきました。
しばらく5人で歩きましたが、そのうち男性たちが遅れて先頭が
私で10mほど遅れて女性、その後ろに男性たち、一緒に船に
乗っていたほかの人たちの姿は見えませんでした。

1時間足らずでしょうか、違う軽自動車が前に止まって男女二人が
待っています、またお接待かな・・・・そう思って近づくと・・・・・。
「なんで遍路なんかしているんだ、弘法大師が何をしたのか
知っているのか・・・・」かなり高圧的な話しぶりで一緒に
歩いてきます。
男性が話すと女性が同調して、遍路をやめて帰れコール。
黙って聞いていましたが、そのうちに腹が立ってきたのと大きな声で
話されるのが苦痛で、「私には私の思いがあって歩いている、
部外者にどうこう言われる覚えはない」と拒否したのですが、
2人は構わず一方手に弘法大師の悪口を言いながらついてきます。
途中からは無視して歩いていましたが、車を道路に止めたまま
2キロ近く歩いてついてきたと思います。
冷静になれば信仰の自由、受け入れるのも拒否するのも自由、
この人たちは拒否の自由の権利を行使しているだけ。

その間、女性も3人組も後ろで成り行きを見ていただけだと思います。
2人が離れると次は後ろの女性や3人組にも同じことを言ったようで
女性が小走りで近づいてきて、怖かったと漏らしました。
この女性は途中の多ノ郷の駅から37番岩本寺のある窪川まで行くと
いうことで、そこで別れました。
この日の宿泊は土佐久礼の駅前の民宿、岩本寺まではもう一日
かかりますので一期一会になりますし、男性たちは歩きのようで、
今夜は安和駅のあたりで泊まるはずです。
私は安和から電車で一駅先の土佐久礼ですから、こちらも
一期一会になります。
1人で歩いて須崎の街中に入りました、なべ焼きラーメンが有名で
食べて見たかったのですが、遅めの夕食は須崎の道の駅にしました。
カツオのたたき定食もおいしかったです。
出るときに男性3人組と出会いましたが、女性と私は夫婦と勘違い
していたようで、4人で大笑いでした。
ここから安和の駅までは1時間ほどだと思いますが、この駅から
電車に乗りたかったのには理由があります。

ホームからは目線よりは高いのですが太平洋が一望でき絶景で
インスタ映えする風景、足は少し痛いのですがこの風景が見たいので
ここまで歩きました。
駅のすぐそばの喫茶店によって酒屋かコンビニはないか聞きました。
ついでにそこで売っていた大きな袋入りの小夏を着払いで送って
もらいました。
リュックには昨日の焼酎のボトルがあるのですが、ビールを飲みながら
風景を見て電車を待ちたかったので、場所を聞いた酒屋で缶ビールを
2本買って、誰もいないホームのベンチに座って絶景を独り占め、
これも至福の時でした。

1回目の歩きの時はこの安和に泊まりましたが、風景を見るゆとりも
なかったので満足でした。
次回は1回目に戻って安和から再開します。

Posted by いとう茂 at 20:32│Comments(0)
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