2022年06月12日

江戸川区でひきこもり7919人

先日のヤフーニュースで昨年度江戸川区が実施した、ひきこもりの実態調査で
ひきこもりの当事者が7919人いるとの報道がありました。
江戸川区は人口約70万人、35万世帯で大津市のおよそ2倍の規模です。
大津市の調査ではひきこもりの人数は一桁少ない数字ですので、
「やっぱりな」・・・そんな感想です。
しかし、実態調査は郵送でのアンケートと訪問での追跡調査を合わせて
103000世帯分で、給与所得者を除いても77000世帯余りが未回答で、
実際には10000人以上いると考えています。
この数字は江戸川区の人口の1,5%に当たる数字で、
ひきこもりの当事者は20歳未満から80代と幅広い年代にわたっています。
最も多い年代は40~50代となっており、ひきこもり歴は1~3年が28,7%で
一番多いのですが、二番目は10年以上の25,7%となっています。
当事者と家族は就労を最も求めているのが現状ですが・・・
そこにつなぐ生活訓練、就労訓練をする機関が十分にあるとは言えませんし、
様々な生きづらさを抱えた当事者の中には、人間関係の構築が苦手な人や
強いこだわりから集団での仕事が続けられない人もいます。
こうした人に週5日働いて、ということは無理だと思います。
会社に来ることができる日だけ出勤したらいいという、
企業もほとんどないのが現状だと思います。

当事者の6割が行政などの支援機関とつながっておらず、
支援を受けずにここまで来ていることも報道されていました。
江戸川区の区長は「行政から一番遠くにいるのがひきこもりの方々ではないか。
行政として、しっかり個別に寄り添っていきたい」と述べられていますし、
「区は当事者の自立のきっかけにしてもらうための居場所づくりや、
ひきこもり当事者への理解を区全体で深めることを目的とした
条例制定も目指す」との報道もありました。

「つなぐ∞つながる」がモットーのえこーは常々地域の理解ということを提唱してきました。
家にいい年をしたひきこもりの子どもがいることを、
誰にも言えないと話すえこーの相談者も大勢います。
支援機関とつながれない理由の一つに、周囲の目を気にして
「助けて」と声を上げられない当事者と家族がいることが挙げられます。
江戸川区がモデルになり全国的に、地域の理解が進むことを願っています。
このニュースを受けて7月の参議院選挙で、
どこの政党がひきこもり支援を公約に掲げるか注目です。

Posted by いとう茂 at 12:18│Comments(0)
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