2024年08月02日

暑い中を

「ごめんくださいっ」いつもの大きな声で元警備員さんが来ました。
「この前は北海道のお土産品をありがとうございました」
「いえいえ、お礼を言われるようなもんじゃないですよ、今日はホームセンターで木材とビニールを買ってきました」
「木材?もしかしたらキャンピングカーですか」
「大当たりぃ、ベッドのふちが壊れてしまってそれの修理と、雨用のシート代わりにビニールです」
「相変わらず豆ですね、どこか予定があるんですか」
「特別行きたいところはないんですが、どこか涼しい所はないかと探してはいます。伊藤さんどこかないですかね」
「キャンプですか、私が考えるのは四国ですから12番札所の焼山寺の駐車場かな、でもキャンプができるか分かりませんよ、それと焼山寺の手前に大型バスが止められる駐車場があります、前に小さな商店がありますからそこで1夜の許可をくれそうに思いますよ。
昼間は焼山寺の手前に鮎喰川と言うきれいな川がありますから、河原で食事もできますわ、ただ山しかないところですけどね」
「四国はちょっと遠いですね、福井か京都ならいいんですけど」
「徳島は大きな川が沢山ありますよ、吉野川、鮎喰川、勝浦川、那賀川、他にもいくつかあります、涼しくなったら一度行ってみてください、気に入ると思いますわ」
そんな会話で盛り上がりました。
休日に奥さんと軽トラを改造した車でキャンプに出掛けて楽しんでいる元警備員さんです。
暑い中を遠回りして寄ってくれました、お金、お金と執着せずに、マイペースで人生を楽しんでいます。
いっそのこと田舎暮らしを始めればいいと思うのですが、そのうちにどこかで安い古民家を探して移住しそうな気配もあります。
料理もできますから民宿も可能です。
この年になると手に職がある人を見ると羨ましく思います。
料理、日曜大工、畑仕事、そうしたことが得意な人は、それだけ生きる選択肢が多くなります。
冷たいお茶をお替りして元警備員さんは笑顔で帰っていきました。

Posted by いとう茂 at 12:15│Comments(0)
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