2012年09月20日
6年4組物語③
この物語はフィクションであり
登場人物は架空の人物です
みんなの声に後押しされて角田君が前に出ていきます。
どうやら緊張して、心なしか足が震えているようです。
振り向くとちょっと広めの額に汗をかいています。
「角田君頑張って」声をかけたのは中山さんです。
この前は山田君のプランが良かったら
便乗すると言っていたのに、気が変わったのか
誰のプランでもよいのか理解ができません。
「そ、それでは、発表します。」
声が上ずっています。
「角田、落ち着いて、ゆっくりでいいぞ、
深呼吸しろ、深呼吸」
田川先生も心配のようです。
「えーと、行先は九州です」
「オー九州やて、僕行ったことないわ
さくらに乗れるんやろか、おーおー、ちゃんぽんも食わしてやー」
古谷君は嬉しそうです。
彼も確かこの前、杉田さんのプランに
ラブコールを送っていたのですが・・・・。
「古谷君、静かに!分かってますかぁー!!」
北川君が注意をしました。
「行きは、大阪を通らないように京都の
日本海側から兵庫に入ります。
そして、新神戸から、さくらに乗って福岡に入ります。
まず、門司港レトロ地区を散策して
来年、中学受験をする人もいると思うので、
太宰府天満宮にお参りをします。
そして、ナムコワンダーパークに行きます。」
ナムコワンダーパークと聞いて急にみんなが身を乗り出しました。
「泊まるのはちょっと距離がありますが、
高速に乗って熊本の菊池温泉まで行きます。
2日目は熊本城の見学をして、やまなみハイウエーで
阿蘇山に行きます。
そして、大分県に入り湯布院で昼食を済まして、
高崎山で猿の見物と別府温泉の地獄めぐり、
別府港からフェリーに乗って大阪港に帰ってきます。
二日目が距離的にかなりきついので、時間の都合で
コース変更もあります。
大阪からは名阪道で三重県経由で帰ってくるコースです
通る県は、京都、兵庫、岡山、広島、山口、福岡、熊本
大分、大阪、三重の9県です、これで発表を終わります」
みんな大拍手ですが、北川君が
「角田君、もう一度通る県を言って下さい」
と、お願いをしました。みんなから拍手をもらってうれしそうな
角田君は、得意げにもう一度言いました。
「いくでぇ、京都、兵庫、岡山、広島、山口、福岡、
熊本、大分、それから大阪、三重の9県」
指を折って数えていたのは北川君だけではありませんでした。
藤田君が「おかしいっす、むっちゃおかしいっす、10県あります」
指摘を受けた角田君は冷や汗をかいて青ざめています。
そんな角田君の様子を見て田川先生が言葉をかけました。
「角田、なかなか良かったぞ、さくらに乗るのも旬のことだし、
夜の瀬戸内海をフェリーで移動というのも夢があるし、
夢や心のわからない人を連れて行ってやりたいよ。
ただ、フェリーで1泊するんで大阪には朝に着いてしまい
1日損した気になる人はいるかもしれんなぁ」
「そうか、学校に帰ってくるのは、早かったら昼前に
なるかもしれんのか、皿うどんかちゃんぽんも
検討してほしいな」
草野君も残念そうです。
「せやけど、大阪通らんと兵庫に入るなんて
考えつかんかったな、裏ワザやな、隅におけんやっちゃ」
井川君がほめました。
すると山田君も
「大阪から三重を抜けてなんて新名神様様やけど
考える人少ないやろなぁ」と感嘆しています。
田川先生が尋ねました。
「大阪から三重に抜けるのに奈良を通らんと行けへんのと違うか、
それに、京都から兵庫に入って新幹線やったら
かなり早い時間に出発せんとあかんやろ」
「予定では4時か3時くらいかと思っていました
先生、大阪から奈良を通らんと三重に入る道はないんですか、
調べさせてください、これ以上通る県が増えたら
このコース諦めないとあかんので」
「そんなに早いんやったら3泊4日にしたらええのに」
中山さんが言うと、清田さんが
「中山さん、みんな2泊3日で考えてきてるんやから、
それはルール違反やで」
北川君も「あくまで2泊3日の修学旅行です、
費用も限られているし通る県も限られています、
ほか誰かありませんか?」
今の北川君の発言で、杉田さんは不安になってきました。
「あのー、先生、2泊3日て言うたら何時から何時までですか」
「どういう意味や、杉田」 田川先生が聞き返しました」
「今日は8月8日ですが、もし明日から2泊3日の旅行に
行くとしたら、9,10,11日ですが、明日の何時から
やったら出発できるんか、それから今夜の9時に出て
72時間後の11日の9時に帰ってきてもいいのか、それとも、
2泊3日やったら、10日には帰ってこんとあかんのか、
2泊3日というより最高72時間のコースを組んでも
いいのか教えてほしいんです」
「うーん、難しい質問やな、職員会議でもそのことは抜けてたわ。
これは北山校長に聞いてあとで報告するわ、ほかのクラスとの
兼ね合いもあるしな」
「杉田さん発表するんですか」
北川君が聞きました。
「プランはあるんですけど、今の質問の答えを
もらってからでないと発表できません」
普段と違って、きっぱり杉田さんは突っぱねました。
時々、彼女にはこういうことがあります。
妙に頑固というか、一つ違う所のスイッチが入ったというのか、
普段はかわいらしい人なんですけど・・・・・
もしかすると、最近、体つきが立派になったせいかもしれません・・・・。
それはそうと、彼女のすごい所は打たれ強いというか
立ち直りが早いというのか、およそ挫折とは無縁のように
見えます。一説には鈍感という説もありますが・・・・・。
真偽は・・・・・・。
「ほか、発表者はありませんか、杉田さんはさっきの
質問の答えをもらってから発表してください。
皆さんは今日出た、山田君と角田君のコースを
検討してください、次は8月20日9時30分から
委員会をします。都合の悪い人はいませんか。
次とその次の委員会で、できたらコースを
1本に絞りたいと思います、まだ新しいコースの発表
は間に会いますので、杉田さんだけでなく、ほかのみんなも
考えてください、最後に僕もコースを発表しようかな。
では、今日はこれで解散しまーす」
まだまだ続きます。
登場人物は架空の人物です
みんなの声に後押しされて角田君が前に出ていきます。
どうやら緊張して、心なしか足が震えているようです。
振り向くとちょっと広めの額に汗をかいています。
「角田君頑張って」声をかけたのは中山さんです。
この前は山田君のプランが良かったら
便乗すると言っていたのに、気が変わったのか
誰のプランでもよいのか理解ができません。
「そ、それでは、発表します。」
声が上ずっています。
「角田、落ち着いて、ゆっくりでいいぞ、
深呼吸しろ、深呼吸」
田川先生も心配のようです。
「えーと、行先は九州です」
「オー九州やて、僕行ったことないわ
さくらに乗れるんやろか、おーおー、ちゃんぽんも食わしてやー」
古谷君は嬉しそうです。
彼も確かこの前、杉田さんのプランに
ラブコールを送っていたのですが・・・・。
「古谷君、静かに!分かってますかぁー!!」
北川君が注意をしました。
「行きは、大阪を通らないように京都の
日本海側から兵庫に入ります。
そして、新神戸から、さくらに乗って福岡に入ります。
まず、門司港レトロ地区を散策して
来年、中学受験をする人もいると思うので、
太宰府天満宮にお参りをします。
そして、ナムコワンダーパークに行きます。」
ナムコワンダーパークと聞いて急にみんなが身を乗り出しました。
「泊まるのはちょっと距離がありますが、
高速に乗って熊本の菊池温泉まで行きます。
2日目は熊本城の見学をして、やまなみハイウエーで
阿蘇山に行きます。
そして、大分県に入り湯布院で昼食を済まして、
高崎山で猿の見物と別府温泉の地獄めぐり、
別府港からフェリーに乗って大阪港に帰ってきます。
二日目が距離的にかなりきついので、時間の都合で
コース変更もあります。
大阪からは名阪道で三重県経由で帰ってくるコースです
通る県は、京都、兵庫、岡山、広島、山口、福岡、熊本
大分、大阪、三重の9県です、これで発表を終わります」
みんな大拍手ですが、北川君が
「角田君、もう一度通る県を言って下さい」
と、お願いをしました。みんなから拍手をもらってうれしそうな
角田君は、得意げにもう一度言いました。
「いくでぇ、京都、兵庫、岡山、広島、山口、福岡、
熊本、大分、それから大阪、三重の9県」
指を折って数えていたのは北川君だけではありませんでした。
藤田君が「おかしいっす、むっちゃおかしいっす、10県あります」
指摘を受けた角田君は冷や汗をかいて青ざめています。
そんな角田君の様子を見て田川先生が言葉をかけました。
「角田、なかなか良かったぞ、さくらに乗るのも旬のことだし、
夜の瀬戸内海をフェリーで移動というのも夢があるし、
夢や心のわからない人を連れて行ってやりたいよ。
ただ、フェリーで1泊するんで大阪には朝に着いてしまい
1日損した気になる人はいるかもしれんなぁ」
「そうか、学校に帰ってくるのは、早かったら昼前に
なるかもしれんのか、皿うどんかちゃんぽんも
検討してほしいな」
草野君も残念そうです。
「せやけど、大阪通らんと兵庫に入るなんて
考えつかんかったな、裏ワザやな、隅におけんやっちゃ」
井川君がほめました。
すると山田君も
「大阪から三重を抜けてなんて新名神様様やけど
考える人少ないやろなぁ」と感嘆しています。
田川先生が尋ねました。
「大阪から三重に抜けるのに奈良を通らんと行けへんのと違うか、
それに、京都から兵庫に入って新幹線やったら
かなり早い時間に出発せんとあかんやろ」
「予定では4時か3時くらいかと思っていました
先生、大阪から奈良を通らんと三重に入る道はないんですか、
調べさせてください、これ以上通る県が増えたら
このコース諦めないとあかんので」
「そんなに早いんやったら3泊4日にしたらええのに」
中山さんが言うと、清田さんが
「中山さん、みんな2泊3日で考えてきてるんやから、
それはルール違反やで」
北川君も「あくまで2泊3日の修学旅行です、
費用も限られているし通る県も限られています、
ほか誰かありませんか?」
今の北川君の発言で、杉田さんは不安になってきました。
「あのー、先生、2泊3日て言うたら何時から何時までですか」
「どういう意味や、杉田」 田川先生が聞き返しました」
「今日は8月8日ですが、もし明日から2泊3日の旅行に
行くとしたら、9,10,11日ですが、明日の何時から
やったら出発できるんか、それから今夜の9時に出て
72時間後の11日の9時に帰ってきてもいいのか、それとも、
2泊3日やったら、10日には帰ってこんとあかんのか、
2泊3日というより最高72時間のコースを組んでも
いいのか教えてほしいんです」
「うーん、難しい質問やな、職員会議でもそのことは抜けてたわ。
これは北山校長に聞いてあとで報告するわ、ほかのクラスとの
兼ね合いもあるしな」
「杉田さん発表するんですか」
北川君が聞きました。
「プランはあるんですけど、今の質問の答えを
もらってからでないと発表できません」
普段と違って、きっぱり杉田さんは突っぱねました。
時々、彼女にはこういうことがあります。
妙に頑固というか、一つ違う所のスイッチが入ったというのか、
普段はかわいらしい人なんですけど・・・・・
もしかすると、最近、体つきが立派になったせいかもしれません・・・・。
それはそうと、彼女のすごい所は打たれ強いというか
立ち直りが早いというのか、およそ挫折とは無縁のように
見えます。一説には鈍感という説もありますが・・・・・。
真偽は・・・・・・。
「ほか、発表者はありませんか、杉田さんはさっきの
質問の答えをもらってから発表してください。
皆さんは今日出た、山田君と角田君のコースを
検討してください、次は8月20日9時30分から
委員会をします。都合の悪い人はいませんか。
次とその次の委員会で、できたらコースを
1本に絞りたいと思います、まだ新しいコースの発表
は間に会いますので、杉田さんだけでなく、ほかのみんなも
考えてください、最後に僕もコースを発表しようかな。
では、今日はこれで解散しまーす」
まだまだ続きます。
Posted by いとう茂 at 12:23│Comments(0)