2019年07月14日
独楽吟④
独楽吟の最後になります。
プラス発想で近代化、生産性、効率を追求して近代の
日本人は便利な生活を手に入れてきました。
そのことについて議論するつもりはありませんが、貧困や虐待、
環境汚染といった問題があるのも事実です、これらが便利な
生活を追求した産物かどうか、因果関係についても私には
明確な整理が終わっていません。
質素倹約の生活がいいからと思っても、一度便利な生活を
経験した人間が、そうした生活で耐えられるか・・・・・・・。
まるで薬物中毒のようなものです。
身の丈、分相応、足るを知る、口で言うのは易きことですが、
いざ、実践となると・・・・・・。
せめて橘曙覧(たちばなあけみ)の歌で、見えてくる光景から
何かを学び、感じられたらと思います。
・たのしみは 木芽(に)やして大きなる饅頭(まんじゅう)を
一つほゝばりしとき
※木の芽=お茶の葉 やして=お湯で煮ること、
お茶を沸かすこと ※饅頭のあまさが口いっぱいにひろがる
・たのしみは つねに好める燒豆腐うまく煮(に)たてゝ食はせけるとき
※福井では焼き豆腐を,白味噌の田楽にして食べるのが
好まれているそうだ。
※食わせける=奥さんが心をこめて作った料理が
なによりも美味しいといった事が背景にある。
・たのしみは 小豆(あづき)の飯の冷(ひえ)たるを
茶漬てふ物になしてくふ時
※小豆ご飯をどこかの慶事でいただいたのかも知れません。
それが冷たくなったのでお茶づけにして食べるのが楽しみだという。
・たのしみは いやなる人の來たりしが長くもをらでかへりけるとき
※「たのしみ」と言うか,ホッとするというか。
・たのしみは 田づらに行きしわらは等が耒(すき)鍬(くは)とりて歸りくる時
※わらわ等=子ども達田んぼに行った子ども達が
手に手に農具をもって帰ってくるのを,ほほえましく見ている。
・ たのしみは 衾(ふすま)かづきて物がたりいひをるうちに寝入りたるとき
※衾(ふすま)=衾は掛け蒲団の意。男女が同じ蒲団で
一緒に寝ることを同衾という。
※家族で蒲団をかぶって話をしている内に寝ていってしまうのが楽しい。
・たのしみは わらは墨するかたはらに筆の運びを思ひをる時
※我が子が墨をすって書の仕度をしている。
子どもの勉強を楽しみをもって見ている
・たのしみは 好き筆をえて先(まづ)水にひたしねぶりて試みるとき
※好き筆=良い筆
※ねぶりて試みる=筆の毛先をなめてそろえ、試し書きをする
・たのしみは 庭にうゑたる春秋の花のさかりにあへる時時
※ガーデニングをしている人がもっとも嬉しいのは、
育てている草花が満開に咲いたときだ。
※時時=時々,ここでは”時”を2度かさねて、
少し長い期間や回数を表している。
・たのしみは ほしかりし物錢ぶくろうちかたぶけてかひえたるとき
※ほしかりし物=欲しい物があって
※錢ぶくろうちかたぶけて=財布の底をひっくり返して
※かひえたる=買い得たる
・たのしみは 神の御國の民として神の敎(おしえ)をふかくおもふとき
※神の御国=天皇の治めたまう御国
※神の敎をふかくおもふ=天皇の御心に真心を持って思いをはせる。
・たのしみは 戎夷(えみし)よろこぶ世の中に皇國(みくに)
忘れぬ人を見るとき
※戎夷よろこぶ=外国のことをもてはやし尊ぶ
※皇國忘れぬ=天皇のおわします日本古来の精神や文化を大切にする
・たのしみは 鈴屋大人(すすのやうし)の後(のち)に生れ
その御諭(みさとし)をうくる思ふ時
※鈴屋大人=本居宣長 ※御諭=教え
・たのしみは 數ある書(ふみ)を辛くしてうつし竟(をへ)つゝとぢて見るとき
※數ある書=たくさんの書籍
※辛くして=ようやく ※うつし竟つゝ=ついに写しおえて
※とぢて見る=この時代は,細紐で書物の背を綴じた(和とじ)。
・たのしみは 野寺山里日をくらしやどれといはれやどりけるとき
※野寺山里日をくらし=野山をハイキングしていて日が暮れてしまった
※やどれといはれ=「泊まっていきなされ」と声をかけられ
・たのしみは 野山のさとに人遇ひて我を見しりてあるじするとき
※我を見しりて=自分を知っている
※あるじする=ご馳走をしてもてなしてくれること
・たのしみは ふと見てほしくおもふ物辛くはかりて手にいれしとき
※辛くはかりて=かろうじてようようと
プラス発想で近代化、生産性、効率を追求して近代の
日本人は便利な生活を手に入れてきました。
そのことについて議論するつもりはありませんが、貧困や虐待、
環境汚染といった問題があるのも事実です、これらが便利な
生活を追求した産物かどうか、因果関係についても私には
明確な整理が終わっていません。
質素倹約の生活がいいからと思っても、一度便利な生活を
経験した人間が、そうした生活で耐えられるか・・・・・・・。
まるで薬物中毒のようなものです。
身の丈、分相応、足るを知る、口で言うのは易きことですが、
いざ、実践となると・・・・・・。
せめて橘曙覧(たちばなあけみ)の歌で、見えてくる光景から
何かを学び、感じられたらと思います。
・たのしみは 木芽(に)やして大きなる饅頭(まんじゅう)を
一つほゝばりしとき
※木の芽=お茶の葉 やして=お湯で煮ること、
お茶を沸かすこと ※饅頭のあまさが口いっぱいにひろがる
・たのしみは つねに好める燒豆腐うまく煮(に)たてゝ食はせけるとき
※福井では焼き豆腐を,白味噌の田楽にして食べるのが
好まれているそうだ。
※食わせける=奥さんが心をこめて作った料理が
なによりも美味しいといった事が背景にある。
・たのしみは 小豆(あづき)の飯の冷(ひえ)たるを
茶漬てふ物になしてくふ時
※小豆ご飯をどこかの慶事でいただいたのかも知れません。
それが冷たくなったのでお茶づけにして食べるのが楽しみだという。
・たのしみは いやなる人の來たりしが長くもをらでかへりけるとき
※「たのしみ」と言うか,ホッとするというか。
・たのしみは 田づらに行きしわらは等が耒(すき)鍬(くは)とりて歸りくる時
※わらわ等=子ども達田んぼに行った子ども達が
手に手に農具をもって帰ってくるのを,ほほえましく見ている。
・ たのしみは 衾(ふすま)かづきて物がたりいひをるうちに寝入りたるとき
※衾(ふすま)=衾は掛け蒲団の意。男女が同じ蒲団で
一緒に寝ることを同衾という。
※家族で蒲団をかぶって話をしている内に寝ていってしまうのが楽しい。
・たのしみは わらは墨するかたはらに筆の運びを思ひをる時
※我が子が墨をすって書の仕度をしている。
子どもの勉強を楽しみをもって見ている
・たのしみは 好き筆をえて先(まづ)水にひたしねぶりて試みるとき
※好き筆=良い筆
※ねぶりて試みる=筆の毛先をなめてそろえ、試し書きをする
・たのしみは 庭にうゑたる春秋の花のさかりにあへる時時
※ガーデニングをしている人がもっとも嬉しいのは、
育てている草花が満開に咲いたときだ。
※時時=時々,ここでは”時”を2度かさねて、
少し長い期間や回数を表している。
・たのしみは ほしかりし物錢ぶくろうちかたぶけてかひえたるとき
※ほしかりし物=欲しい物があって
※錢ぶくろうちかたぶけて=財布の底をひっくり返して
※かひえたる=買い得たる
・たのしみは 神の御國の民として神の敎(おしえ)をふかくおもふとき
※神の御国=天皇の治めたまう御国
※神の敎をふかくおもふ=天皇の御心に真心を持って思いをはせる。
・たのしみは 戎夷(えみし)よろこぶ世の中に皇國(みくに)
忘れぬ人を見るとき
※戎夷よろこぶ=外国のことをもてはやし尊ぶ
※皇國忘れぬ=天皇のおわします日本古来の精神や文化を大切にする
・たのしみは 鈴屋大人(すすのやうし)の後(のち)に生れ
その御諭(みさとし)をうくる思ふ時
※鈴屋大人=本居宣長 ※御諭=教え
・たのしみは 數ある書(ふみ)を辛くしてうつし竟(をへ)つゝとぢて見るとき
※數ある書=たくさんの書籍
※辛くして=ようやく ※うつし竟つゝ=ついに写しおえて
※とぢて見る=この時代は,細紐で書物の背を綴じた(和とじ)。
・たのしみは 野寺山里日をくらしやどれといはれやどりけるとき
※野寺山里日をくらし=野山をハイキングしていて日が暮れてしまった
※やどれといはれ=「泊まっていきなされ」と声をかけられ
・たのしみは 野山のさとに人遇ひて我を見しりてあるじするとき
※我を見しりて=自分を知っている
※あるじする=ご馳走をしてもてなしてくれること
・たのしみは ふと見てほしくおもふ物辛くはかりて手にいれしとき
※辛くはかりて=かろうじてようようと
Posted by いとう茂 at 10:36│Comments(0)