2022年06月02日

前後、左右、上下

毎朝前しか見ていない若い女性が歩いてきます、
前と言っても視野はかなり狭いようにも感じます。
後ろからしか見えないのですが、交差点でも左右の確認をせずに
前だけを見て渡っているように思います。
表情もなく、前を見ている目の焦点は定まっていない・・・もしかすると・・・発達障害。
この女性には左右とか上下の意識はないのかも知れません、
一つのことに集中するとそれしか見えない、他の事は見えていても「見ている」
という感覚はないのだと思います。

この前の外来魚駆除釣り大会には、ひきこもり・不登校の当事者が
3名来てくれました。
竿を渡しながら「糸巻きから糸を出して竿を伸ばしていくんやで」と言ったのに、
糸を出すことだけをして竿を伸ばさないので手元で糸がもつれて仕掛けが
1組使えなくなり、新しい竿と交換したのですが・・・・また同じことの繰り返しでした。
この当事者は医療機関にも通っていて、障害があることを認識しています、
認識していても同時に二つのことができるわけではありません。
横に行って、竿を伸ばして、糸を出して、竿を伸ばして、糸を出してを繰り返し言うと
釣りをする準備ができました。
エサは自分でつける約束ですので最初だけはこちらがつけて見本を見せます。
釣り始めて1分もしないうちに釣り上げた参加者もいましたが、
この当事者の仕掛けにはなかなか魚が食いつきません。
「タナがあってないかもしれないから、ウキ下を変えてあたりがあるところを探してや」
言葉は耳に届いているのだと思いますが、ウキの動きに集中しているので
ウキ下の調節をしようとはしません。
この当事者も前しか見ていない、それもごく狭い視野だけを見ているのだと思います。
釣れていない人には「同じ場所だけではなくて移動して魚がいそうなところを探してください」
と声をかけましたが・・・動こうとしない。
動こうとしないのではなくて、動く事が考えられない、前しか見ていないので
後ろ、左右、上下があることに気づかない、それで生きづらいのだと感じます。
コミュニケーションがうまくできない、空気が読めない、そうしたことの原因は
一つの方向しか見られないからもあるのか・・・・な。

Posted by いとう茂 at 11:02│Comments(0)
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