2024年05月09日

ひきこもり支援

先日、新聞を読んでいたら「ひきこもり支援に本人視点 国、自治体へ初指針」という見出しが飛び込んできました。
記事によりますと、「ひきこもりは生活困窮、いじめ、リストラといった問題から身を守ろうとして、誰にでも起こる問題」として「人としての尊厳を守り、本人の意思を尊重」を骨子として今年度中に完成させて、全国の相談窓口で活用するようです。
全国ひきこもり家族会連合会の会員向けアンケートで上位に来たのが「親亡き後をどうするのか」「家族支援」「選択できる複数の居場所」「つながり続ける支援」となっています。
これはえこーの活動していることと一致しており、面談で相談者から聞いた意見や、相談者、当事者を見て感じたことでもあります。
8050問題にしても、2025年に団塊の世代のすべてが後期高齢者になり、その5年後には団塊の世代のすべてが80代になります、今後この現象は増加の一方でそのうちに9060として親の介護と子の支援の問題が出てくるのは目に見えています。
記事を読んでいて少しムッ、としたことがありました。
「社会の意識 変える契機に」この指針がそうした意味を持てばいいという解説のタイトルですが、指針の骨子は「ひきこもり状態でも尊厳ある存在」「本人の意思を尊重」です。
このことが出来ていなくて、ひきこもりに対する社会の視線がいかに当事者を苦しめてきたかということの裏返しでもあると書かれています。
そのことを理解しているのなら、今までどうしてこうしたことがなくなるような啓発や理解を求める報道をしてこなかったのか、疑問でもあり腹立たしさです。
ひきこもり当事者は全国で146万人と言う推計ですが、滋賀県の人口よりも多い推計になっています。
1世帯の平均家族数は、2.25人ですから、ひきこもりの当事者とその家族の数は328万人以上で、日本の人口の2%を超えます。
これだけ多くの人が苦しんでいる実態があるのに、ようやく指針の策定に取り掛かると言うのは、かなり遅れていると言わざるを得ませんが、ようやく重い腰を上げたことは評価したいと思います。
この指針で救われる人が一人でも多くいることを望みます。

Posted by いとう茂 at 10:53│Comments(0)
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