2012年06月22日
昔、昔、あるところに⑤
この前5年3組で学級委員長の選挙がありました。
38人のクラスで全員が投票をして、学級委員長と
副委員長そして、風紀委員長、給食委員長を決めます。
最初に学級委員長の選挙です。
どこのクラスでもそうですが、悪ガキが一人や二人はいるもので、
このクラスでもいます。
その子が武腰家の長男の裕一です。
裕一は選挙前になるとクラスの生徒をトイレに
呼び出し、今度の選挙でこいつに入れろとスゴみます。
今度の学級委員長には、白田東四郎君を推しているようです。
「おい、わかってるやろ、今度の選挙は白田やで
それとな、風紀委員長は俺に入れてくれ、ええか」
気の弱い、井川繁和君は裕一の格好の標的です。
並んでトイレで用を足していたら、声を掛けられました。
「白田君に入れたらええんやろ、わかってる。
あのー武腰君、この前貸したゲームのソフト返してーな」
「おー、あれか、もうちょっと貸しててくれや、あかんのんけ」
「ええけど、いつ返してくれる」
「もうちょっと貸したるゆうたやんけ、なんか文句あるんか」
「・・・・・」
「おおきに」
次は、古田君です
「古田、今度の学級委員やけど、東四郎で頼むで」
「白田君がええの・・・・・・」
「ええやろ、お前は給食委員長にしたるやんけ」
「給食委員長にしてくれるんやったら文句ないで」
「よっしゃ、決まりやで」
武腰君の陰の活躍で、
選挙は白田東四郎君が満票で学級委員長に選ばれました。
副委員長には津川信吾君、風紀委員長には竹腰裕一君、
給食委員長には古田雅夫君が選ばれました。
副委員長は38人中30票でした。
これは、クラスの中で竹腰君と反目しあう
塚田グループと谷本グループの造反でした。
それでも、竹腰君は自分たちのグループの思い通りの
結果だったので満足しています。
給食委員長に選ばれた古田君にさっそく
仕事が回ってきました。
4時限目が終わると3名の給食委員と配膳室に一目散。
今日の給食はクジラのカツと野菜いため、
脱脂粉乳とコッペパンです。
クラスのみんなはアルミの皿を持って順番に並びます。
ふっと見ると、津川副委員長の後ろに竹腰風紀委員長が並んでいます。
津川君に配ったカツはとても大きいカツでした。
「古田君、おおきに僕カツ好きやねん」
それを見ていた竹腰君が
「俺もクジラ好きやねん、大きいの頼むわ」
ところが、津川君に配ったような大きいカツはもう残って
いません、下の方まで古田君は探しましたが・・・・。
「何や、小さいやんけ、もっと大きいのくれや」
いくら言われてもないもいのはない、古田君はカツが入っている
入れ物を竹腰君に見せました。
おさまらないのは竹腰君です。
「おい、津川、俺のと換えてくれや」
津川君はいつものようににこにこ笑っています。
「へらへら笑うてんと、換えてくれや」
それでも津川君はにこにこ笑っています。
「いつも笑うてばっかりで頼りない奴やなぁ」
笑いながら津川君は
「いやや」
もう、竹腰君の怒りは収まりません。
「津川、来週、校則委員会があるの知ってるやろ、副学級委員長の
お前が校則委員会の委員長やけど、俺は風紀委員長やさかい
校則委員会の副委員長やで、何言うてもええけど協力せえへんさかいな、
覚えとけよ」
こんなことなら副学級委員長になんかならなければよかったと
後悔する津川君でしたが、もう遅い。
食い物の恨みは恐ろしい。
来週の校則委員会が楽しみでもあり・・・・。
38人のクラスで全員が投票をして、学級委員長と
副委員長そして、風紀委員長、給食委員長を決めます。
最初に学級委員長の選挙です。
どこのクラスでもそうですが、悪ガキが一人や二人はいるもので、
このクラスでもいます。
その子が武腰家の長男の裕一です。
裕一は選挙前になるとクラスの生徒をトイレに
呼び出し、今度の選挙でこいつに入れろとスゴみます。
今度の学級委員長には、白田東四郎君を推しているようです。
「おい、わかってるやろ、今度の選挙は白田やで
それとな、風紀委員長は俺に入れてくれ、ええか」
気の弱い、井川繁和君は裕一の格好の標的です。
並んでトイレで用を足していたら、声を掛けられました。
「白田君に入れたらええんやろ、わかってる。
あのー武腰君、この前貸したゲームのソフト返してーな」
「おー、あれか、もうちょっと貸しててくれや、あかんのんけ」
「ええけど、いつ返してくれる」
「もうちょっと貸したるゆうたやんけ、なんか文句あるんか」
「・・・・・」
「おおきに」
次は、古田君です
「古田、今度の学級委員やけど、東四郎で頼むで」
「白田君がええの・・・・・・」
「ええやろ、お前は給食委員長にしたるやんけ」
「給食委員長にしてくれるんやったら文句ないで」
「よっしゃ、決まりやで」
武腰君の陰の活躍で、
選挙は白田東四郎君が満票で学級委員長に選ばれました。
副委員長には津川信吾君、風紀委員長には竹腰裕一君、
給食委員長には古田雅夫君が選ばれました。
副委員長は38人中30票でした。
これは、クラスの中で竹腰君と反目しあう
塚田グループと谷本グループの造反でした。
それでも、竹腰君は自分たちのグループの思い通りの
結果だったので満足しています。
給食委員長に選ばれた古田君にさっそく
仕事が回ってきました。
4時限目が終わると3名の給食委員と配膳室に一目散。
今日の給食はクジラのカツと野菜いため、
脱脂粉乳とコッペパンです。
クラスのみんなはアルミの皿を持って順番に並びます。
ふっと見ると、津川副委員長の後ろに竹腰風紀委員長が並んでいます。
津川君に配ったカツはとても大きいカツでした。
「古田君、おおきに僕カツ好きやねん」
それを見ていた竹腰君が
「俺もクジラ好きやねん、大きいの頼むわ」
ところが、津川君に配ったような大きいカツはもう残って
いません、下の方まで古田君は探しましたが・・・・。
「何や、小さいやんけ、もっと大きいのくれや」
いくら言われてもないもいのはない、古田君はカツが入っている
入れ物を竹腰君に見せました。
おさまらないのは竹腰君です。
「おい、津川、俺のと換えてくれや」
津川君はいつものようににこにこ笑っています。
「へらへら笑うてんと、換えてくれや」
それでも津川君はにこにこ笑っています。
「いつも笑うてばっかりで頼りない奴やなぁ」
笑いながら津川君は
「いやや」
もう、竹腰君の怒りは収まりません。
「津川、来週、校則委員会があるの知ってるやろ、副学級委員長の
お前が校則委員会の委員長やけど、俺は風紀委員長やさかい
校則委員会の副委員長やで、何言うてもええけど協力せえへんさかいな、
覚えとけよ」
こんなことなら副学級委員長になんかならなければよかったと
後悔する津川君でしたが、もう遅い。
食い物の恨みは恐ろしい。
来週の校則委員会が楽しみでもあり・・・・。
Posted by いとう茂 at 16:01│Comments(0)