2022年05月10日

カラスにエサをやる人との話

よく前を通る会社にカラスが巣を作っている話は以前にアップしました。
その続編・・・番外編・・・。
これまでに4度巣を作りましたがいつも社員に取り払われて
ゴールデンウィークに突入しました。
巣の方は5度目ですが以前よりも大きな巣になっています、
これからこの巣がどうなるか見届けたいと思います。

今日はこのカラスにエサをやる人との会話です。
私よりも年長の女性が会社の横の空き地でカラスにエサをやっていました。
エサをやることの是非は別にして、珍しい光景だなと思い近づいていくと、
女性は持っていたエサが入ったケースを隠しました。
エサをやっていることを咎められると思ったのかもしれません。
女性の方ではなくカラスの方を見ている私を見て安心したのか、
「カー助」「カー子」とカラスを呼んでいます。
「名前があるんですか」
「勝手につけてるだけです」
少し沈黙があって、女性がもう一度、
名前を呼んでエサをパラパラまくとカラスが寄ってきます。
「カラスのエサですか」
ドッグフードのように見えましたので尋ねると
「うちで飼ってる猫が食べないキャットフード、ほかすのももったいないしね」
「何でも食べるんですね」
「カラスは賢いから、寄ってきてもすぐに食べないんです、
周りのカラスに分かったら横取りされるかもしれないから、
近くに他のカラスがいないか確認してから、少しずつ食べるんです」
「そうなんですか」
「時間はあるのですか、あったら見ててください」
「時間は大丈夫です」
「パンだと白いから他のカラスに見つかりやすいんです、
これだと茶色いし小さいから見つかりにくいんだと思いますよ」
女性の手で握れるエサの量ですから、100粒くらいでしょうか。
寄ってきては少し離れてあたりをうかがっているようでした。
そのうち一羽がエサを食べだしましたが10粒も食べない間に飛び去り、
残った一羽も同じように少しだけ食べて飛び去りました。
「すぐに帰ってきますよ」
女性が言ったとおり2分も経たないうちに低空飛行で戻ってきました、
ほかのカラスの動向を確認していたのでしょうか。
「低く飛ぶのも周りのカラスに気づかれないようにするためだと思います」
「へー詳しいんですね」
「こうしてエサをやっていて気がついたことです」
2回目はさっきよりは食べましたが、やはり飛び立っていきました。
「お腹がふくれたかな」
「すぐに戻ってきます」
魔法使いのお婆さんのように予言通り戻ってきました。
「ほらあそこ、エサが残ってるでしょ、あそこは最後に食べるところです」
見ると空き地の40センチ四方ほどは手つかずになっています。
食べては去り、去っては食べに来ることを6回繰り返してエサは綺麗になくなりました、
魔法使いの予言通りに最後まで残っていたところにもエサはありません。
「ここの会社はひどいですよ、巣を作ったら壊される、別にいいのにねぇ」
カラスの巣で会社の社会的な評価が決まることがあるのか・・・・。
「それは知っています、私も気になるんで時々見に来てたんです」
ここまでおよそ40分の出来事でした。
捨てる神あれば拾う神あり、あの人は魔法使いのお婆さんではなく拾う神かなぁ・・・・。
  
Posted by いとう茂 at 15:02Comments(0)