2024年10月17日
日曜日の読書から
この前の日曜日は、半藤一利と山本周五郎を読み終わりました。周五郎の「ながい坂」は上下2巻で上巻を読み終わりましたので、そこから引用したいと思います。
どんなに苦心し努力しても、よくなるものもあるし悪くなるものもある。
するだけのことをしたら。あとは自然のなりゆきに任せろ。
石済和尚の言葉だ、と彼は思い出した。
いつのことだったかも忘れたし、言葉の内容は違っていたかもしれないが、その意味だけは深く印象に残っていた。
「なりゆきに任せてはいられない」と彼は呟いた。
「この渦は人の力によって巻き起こされるものだ、それなら人間の力で抑制することができるだろうし、ぜひとも抑制しなければならない、だが、どうやって止める」
攻める力はいつも、守る力に先行する。
攻め口がわかるまでは、守る手段も立てられない。
いまどこがどのように攻められているのか、敵の力がどれほどのものか、それを知ることができたらと思い、主水正は溜息をついた。
山へ近づくにしたがって、雪の降りかたはますます激しくなった。
彼はそのまっ白なとばりの中で、絶望的な孤独感におそわれた。
これだけでは何のことは分からないと思いますが、周五郎の言葉はこちらに語りかけてくると感じるものが多いので引用させてもらいました。
城山三郎、小島直記、伊藤肇、ほぼ同年代生まれの作家で、次週はこのお気に入り3人の作品の読書です。
どんなに苦心し努力しても、よくなるものもあるし悪くなるものもある。
するだけのことをしたら。あとは自然のなりゆきに任せろ。
石済和尚の言葉だ、と彼は思い出した。
いつのことだったかも忘れたし、言葉の内容は違っていたかもしれないが、その意味だけは深く印象に残っていた。
「なりゆきに任せてはいられない」と彼は呟いた。
「この渦は人の力によって巻き起こされるものだ、それなら人間の力で抑制することができるだろうし、ぜひとも抑制しなければならない、だが、どうやって止める」
攻める力はいつも、守る力に先行する。
攻め口がわかるまでは、守る手段も立てられない。
いまどこがどのように攻められているのか、敵の力がどれほどのものか、それを知ることができたらと思い、主水正は溜息をついた。
山へ近づくにしたがって、雪の降りかたはますます激しくなった。
彼はそのまっ白なとばりの中で、絶望的な孤独感におそわれた。
これだけでは何のことは分からないと思いますが、周五郎の言葉はこちらに語りかけてくると感じるものが多いので引用させてもらいました。
城山三郎、小島直記、伊藤肇、ほぼ同年代生まれの作家で、次週はこのお気に入り3人の作品の読書です。
Posted by いとう茂 at
15:32
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