2012年01月27日

生き物物語

半年ほど前に次女が熱帯魚を飼いだしました。
何日かおきに水を換えていたのですが、
チョロチョロと少しずつ、水槽の温度が下がらないように
時間をかけての作業となります。

そんな状態なので、ずっと付き切りで水の番を
しているわけにもいかず、用事があったのか
水槽のそばを離れてすっかり水の入れ替えのことを
忘れていたのでしょう。

私が部屋に入ると水がこぼれていました。
よく見ると水槽から水があふれています、
ポンプも止まっていました。
すぐに、娘に連絡をして状況を話すと
あふれた水をふいたり、水槽から水を抜いていました。

ブルーギルに似た魚が、水槽の底で横たわっています。
かすかに呼吸はしているようですが、ほとんど
動きません、今も時々、口を動かしています、
水温も上がり、ポンプも動いています。
あとは、魚の生命力に期待するだけです。

人間の最後に似ているようで、
医療設備が整った中で治療を受け
最善を尽くしても最後は来ます。

小さな魚がなにをしたのか考えてみると、
餌をもらい、水槽の中で静かに泳いでいるだけです。
この魚に限らず、ほとんどの魚が同じ行動を
しているわけですが、そんな行動に、時に、癒され
ている人間がいるのも事実です。

人は、自然や物言わぬ生き物に癒されたり、勇気づけられたり。
水槽の魚は何を思っていたのでしょう。
自分の何十倍もある大きな生き物が
餌をほりこんで、じっと自分を見つめている。
きっと怖かったろうと思います。

人間の勝手な都合で、どこかの国から運ばれてきたのでしょう。
命あるものは必ず死に絶えます。
しかし、今回のように人間の不注意で
消される命も多いでしょう。
生きるために日本にやってきたというと大げさな話になりますが、
事実であります。

改めて、人間というのは勝手な生き物だと痛感しました。
小さな魚の命でそのことを教えてもらった。
そのことを教えるために魚は生きてきたのだと思えば、
合点がいきます。

あらゆるものに、私たちは感謝を忘れてはいけない。
どんな小さくて、ささやかなものであっても。
  
Posted by いとう茂 at 16:30Comments(0)