2012年08月24日

イソップ物語から⑥

金のたまご

あるおじいさんが、一羽のがちょうをかって居りました。
このがちょうは、不思議なことには、毎日一つずつ、
金のたまごを産むのでした。
おじいさんは、この珍しいがちょうを、
宝物のように大事にして居りましたが、
ある日、ふと、 こんな考えをおこしました。
「こんな立派な、金のたまごを産むところを見ると、
このがちょうの腹の中には、きっと大きな、
金のかたまりがあるにちがいない。
毎日一つずつのたまごをとるよりは、
いっそ一度にみんな出してしまおう。」 そこで、さっそく、
いやがるがちょうをつかまえて、おなかをさいて見ますと、
汚いはらわたがあるばっかりで、
金のかたまりなぞは、かげもかたちも見えませんでしたとさ。

知足。老子だったと思いますが、足るを知る。
分相応、身の丈を知る。
人間の考えることは洋の東西を問わず
それほど変わらないのかも知れません。

もちろん文化や風土で、表現の方法は
多少違ってきますが・・・・・。

先人の残した教訓のエッセンスを我々は
糧として、日々凡々と暮らせたら、
それを幸せと感じなければならない気がします。

目には見えない心の中は、恐ろしく広く深く、
その欲望の奥にはもっと大きな欲望があり、
底なしの感があります。

満足とは心が満ちることではなく、
人がどう思おうと、これでいいと自分で
納得することではないでしょうか。

例えば、風呂上りに冷たいビールが飲めること
そこにも人間は、至福の歓びを感じられるものです。
  
Posted by いとう茂 at 11:41Comments(0)