2012年09月30日

6年4組物語⑩

昨日は、午後から生涯学習センターに大津市文化祭のオープニングに行ってきました。
式典の方はもう終了していましたが、
大ホールでは、舞台発表が行われており、
大正琴やフラダンスの団体が発表をされていました。

途中、市民運動会の中止の電話が入り、
ホールを出ましたが、観客が少なく、せっかくの
発表の場なのに寂しく思いました。

実行委員会や、文化連盟の役員の方には、ご苦労
いただいているのでしょうが、大津市の文化について
考えてしまいました。
ネットの普及などで文化に対する考え方が変わってきたのか・・・。

今日は、市民運動会が予定されていましたが、
台風の影響で順延になりました。
台風のことも気になりますが、昼前から
同級生が先月から始めたPHPの勉強会に
出席してこようと思っています。

人間、悪いことをしないで生きることはさほど困難なことではないが、
正しい事だけをして生きることは至難だと言われています。
勉強会の内容は知らされていませんが、
あるべき自分と、今ある自分のギャップを知り、
そのうえでどう生きるかを考える指針の一つになればと思います。


「6年4組物語⑩」

この物語はフィクションであり
登場人物は架空の人物です



8月20日がすんで10人の委員はみんな、張りつめた
緊張が緩んでしまいました。
特に、発表をした4人は、達成感から放心状態で
残った宿題も一向にはかどりません。

(アーあ、まだこんなにある、ふーぅ)
井川君は宿題の山とにらめっこです。
(そやけど、杉田さんの四国も良かったなぁ。
角田君の九州も楽しそうやし、山田君の
コースも食べるもんがいっぱいあったし・・・・)

宿題に取り掛かるには、もう少し時間が
かかりそうです。

4人が宿題をしょうがしまいが、時間は均等に
静かに流れていきます。
そして、4人の親たちも時間の流れなど
関係なしに・・・・夏の嵐です・・・・。

委員はみんな、この前の約束を守り堅く
口を閉じていました。

藤村君が清田さんに
「修学旅行どうなった?行先決まったんか、
どこに決まったんや」
「9月にみんなで決めるんや、今はそれだけしか言えへん」

「もうちょっと言うてぇなぁ、どこに行くんや」
「せやから、言えへんていうてるやろ、言えへんのー」

ちょっと先を急ぎます。

そうこうしているうちに8月29日を迎えました。
田川先生が教室に入ると、すでに
10名の委員がそろっていました。

北川君が「それでは始めたいと思います。
発表した4人のほかの委員で、コースに入れてほしい所が
あれば挙手してください」

「はーい」手を挙げたのは古谷君でした。
「まず、杉田さんの四国のコースなんやけど、
鬼が島をやめて二十四の瞳の小豆島にしてほしいのと、
愛媛で、正岡子規の記念館と一緒に子規堂に行きたい
と思うんや。次に、山田君のコースで、大井川鉄道でSLに乗って
朝食が食べたいと思うねん」

「古谷君、基本的にはみんな1票しか持ってないので、
二人の人には投票ができません。
気持ちはわかりますが、支持する人のコースの
手直しと肉付けということで考えてもらえますか」

「あのー、僕的には、クラスの人が選ぶときに、
人気があるところが入っている方が選ぶ基準ができて
いいと思って提案してるんやけど・・・・」

「気持ちはわかりますが、もう一度言うと、古屋君が
人気があると思っていても、クラスの人がどう思うかは
分からないわけですし、コースを考えた人の気持ちもあるので、
あくまで、支持する人や、どちらにしょうか悩んでいる委員が
ここを入れてくれたら支持するということで肉付けしていきたいと
考えていますし、コースを考えた人も時間や経路については
考えて発表してくれていると思いますので、
支持しない人のコースに手を加えることは、かえって
発表した人の意図と違うものになる可能性があります。
つまり、その人のコースを潰しにいくことにもなりかねないので、
あくまで、支持する人、支持したい人のコースに限定します」

「そら、委員長の言う通りやで、古屋君の気持ちもわからんことないけど、
邪魔はあかんで」
草野君が同調しました。

「じゃ、山田君への提案はやめにします」

古田君は墓穴を掘ったのか・・・・。

「ほか誰かありませんか」
「はい、杉田さんのコースで1日目に宇多津の
プレイパークゴールドタワーを入れてほしいと思います。
高松市内ではなく、高速で坂出まで行って、讃岐うどんの
昼食とセットやったら時間的にも何とかなると思います。
それと、松山では坂の上の雲ミュージアムを考えてほしいんやけど」
中山さんがお願いしました。

「北川君、誰かに行きたい所をお願いしても、
その人に投票したかどうかは誰にもわからへんということやなぁ」

「角田君、その通りですが、そこはみんなの
惻隠の情を信じようよ」

「そうやな、みんな友達やもんな。
所で、誰も僕のコースには注文がないんか」

「僕はないよ」藤田君です。
彼はたぶん山田君に投票するでしょう。

「私も角田君のコースには注文がないけど、
杉田さん、高知県で、竜馬の生まれたまち記念館と
中岡慎太郎の生家を考えてくれへん。
無理やったらええけど・・・・」

清田さんの発言が終わるとすぐに、角田君が
「井川君、良寛の記念館に行ったら、辞世の句の
ことがわかるんか」

「それはどうかわかりませんが、コースからここを
外すつもりはありませんので心配無用」

「僕も、杉田さんのコースで、桂浜水族館を
考えてくれませんか」
北川君もお願いしました。

杉田さんのコースは人気がありそうです。

「ほか誰かありますか」
「・・・・・・・・・・」

「はい、じゃ僕はさっき古谷君が言った
大井川鉄道での朝食をお願いします」
やはり、藤田君は山田君・・・・。

「ほかにありませんか、先生から何かありませんか」

「先生からはありません、あくまで君たちの修学旅行だから、
君たちで考えたらいい、あと、今後の予定だけど、
9月に投票で選ばれた人のコースを旅行社の人と
検討して、時間的に無理なところがある場合は一部、
コースの変更もありうるんで、そこだけは覚えておいてください」

「じゃ、意見もないようなので、今日は早いけどこれで
終わります。次は9月4日に4人に発表してもらい、
無記名投票で決めます。過半数ですから20名以上の人がなければ
決選投票をして決めたいと思います。
それと、この前もお願いしましたが、発表者の4人は
コースの一覧表を作ってください」

「みんな、9月4日は1時間目から発表なので、
発表者4人と言っても、杉田と山田の二人は今日出た
希望を入れられるかどうかコースをもう一度
考えてくるように。それでは、みんな今日はご苦労さんでした。
それはそうと、みんな宿題すんだるんやろなぁ。
コース考えてできません、て言うてもそんなん理由にならんぞ」

「はーい・・・・・・」

思ったより意見が出ずに委員会が終わりました。
先を急いだ効果があったようです。
次回はいよいよ投票です、誰が選ばれるのか・・・・・


  
Posted by いとう茂 at 13:53Comments(0)