2013年05月11日

廊下のシミ

24,7キロ。
9時過ぎに大津聖苑に大きい犬を段ボールに入れて連れて行きました。
数字は段ボールに入った大きい犬の体重です。
実際は20キロ余りですがシーツや水、食料などが
入っているのでこの重さになりました。

大きい犬が死んだことを昨年の年末に大きい犬を見つけていただき、
自分が飼っている犬から輸血までしていただいた、皇子山動物病院の院長に
知らせると、自分も特別思い入れがあったということでお花をいただき
これも一緒に入れてやりました。

重さで火葬料金が違うので申込書に記入した後
検量室に向かいます。
検量後、再度受付に検量表を持っていきますが、
検量室と火葬の釜は同じところにありますので、
ここが最後のお別れの場所になります。

燃えないものが入っていないか訊ねられ、
首輪を外しました。
何本か首輪も変えたのですが、これは一番長くしていた
もので、5・6年前にショップで太くて立派なものを選んだことを
思い出しました。

小さな犬が血統書がついているということで、何万円で売られて
いるのを見て、そういえば娘が拾ってきたとき、学校で生まれた
子犬の内で誰も引き取り手がないであろうやんちゃな犬。
そう言っていたのを思い出し、血統書はないけれどそそんなものは
人間が勝手に考えたもので、そのことで犬の価値が決まることが
気に入らなくて不釣り合いかもしれない首輪を買ったのです。

血統書へのささやかな抵抗でした。
人間社会では就職や結婚で身元調査や両親のことを
あれこれ訊ねることはすぐ問題になるのに、犬や猫は
身元がはっきりしていないといけないと思う人間のなんと多いことか。
矛盾だと感じる人も少なく、身元が分かる犬や猫を飼うのが当然と
考える人間が普通の感覚なのかもしれない。

私は私の考えが普通だと譲る気はないが・・・・。

横にそれてしまいました。
検量室で首輪を外し、もう一度、頭から胴を撫でて最後に頭を・・・・・。
最後のお別れをしました。

骨を拾うことにしましたので約1時間ほど待ちました。
小さな骨壺に入った大きい犬、池の向こうの縁側に
横になっているような気がしましたが、ありえないこと。

廊下にはシミが残っています。
大きい犬のヨダレ、そういえば夜中に廊下でおしっこしたこともありました。
これも大きい犬が生きた証です。
首輪と廊下のシミ、大きい犬の遺品。



Posted by いとう茂 at 15:10│Comments(1)
この記事へのコメント
いとうさん、

お久しぶりです、
イイお話を読ませていただきました、(__)ペコリ
Posted by 風 at 2013年05月11日 22:40
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