2021年11月06日

3年

もう3年、まだ3年両方の感覚があります。
「大腸がんでステージ4」だと告げられたのが2018年の
夏休みだったと記憶しています。
「延命治療はしない」と頑なな気持ちをほぐしたのは、
あなたの3人の子どもたちの言葉でした。
それでも生きたいという強い希望は、いくつかの治療をして、
思ったような成果が出なかったことで日を追うごとに
絶望に変わっていったのでしょうか。
亡くなる前日に太鼓のメンバーと病院を訪れた時に、
手を合わせて何か言おうとしていた姿が脳裏に焼き付いています。

太鼓の練習にも秋口までは顔を見せていたのに、
冬場になると時々からめったにに変化していきました。
25年以上一緒に叩いてきて、本音で議論もし気心の知れた
メンバー5名の最後の演奏は、自治連合会長の叙勲のパーティーでした。
それも他の部屋の都合も考え、15分限定という短いものでした。
リード役の絞め太鼓を叩き続けてきたあなたでしたが
1年以上本格的な練習をしていないので、手が動かないだろう・・・・。
そのことは私を含む4名ともわかっていましたので、
それぞれが声でリードしながらの演奏でしたが、
十分満足で気持ちのいい演奏になりました。
その後は残った4名のうち2名が病に倒れ現在も闘病中です。
この状況はそちらから見えますか、あなたが逝ってまだ3年、
3年で大きく様変わりしてしまい、気持ちよく叩く演奏は
この先ももう望めそうにありません。

この3年あなたに代わって残った2名で指導を
続けてきましたが、いつまで経っても・・・・
指導の方法が悪いのでしょう。
もう3年も指導をしていますし、その前の講座から数えると
5年近くになります。
もちろん最初に比べれば個人差はあっても上達しているのですが、
今一歩の感があります。
自分たちもまだまだ未熟でもっと上手になりたいと思う
気持ちがありますが、指導だけに時間がとられ、
自分たちの練習ができません。

コロナで出番がないのも上達が遅れている大きな原因だと
思いますが、こんな指導でいいのか・・・たずねてみたい・・・・。
太鼓に格好をつけていますが、実は・・・・もう一度会いたい。
いくら望んでも詮無きこととは分かっているのですが、
今の閉塞感をあなたならどう乗り越えるのか聞いてみたい。

そう言えば、あなたの奥さんも「3年経ってちょっと元気に
なってきた」と言っていました。
孫の守りで気を紛らせて今日まで来たのだと思います。

ほとんど自分のことを主張しないあなたでした。
強烈な個性がない人が逝くと・・・・ボディブローのように
時間の経過とともに効いてくるようです。
今年で太鼓の会も30年、一緒に作ったころの熱い気持ちを
もう一度思い出して、歩き続けるのが残された私の使命なのだ、
と言い聞かせます。

Posted by いとう茂 at 19:17│Comments(0)
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