2024年03月28日

「原爆の図」より⑪

丸木位里さんと丸木俊さんの作品の説明文の紹介の続きです
とうろう流し 十二部
八月六日、広島の七つの川はとうろうであふれます。
父の、母の、妹の名をしるして流すのです。
流れ終わらぬうちに潮は逆流し、あげ潮にのって、とうろうはもどってきます。
火はすでに消え、折り重なって暗い流れにただよいます。
それは三十八年前、屍に満ちて流れた川と同じ川なのです。

米兵捕虜の死 第十三部
あなたの落とした原爆でわたしたち日本人は三十数万死にました。
けれどあなたの原爆であなたのお国の若者も二十三人死んだのです。
ひろしまに原爆が投下される前に日本爆撃に来たB29から落下傘で降下した米兵を捕虜にしてあった。
女の捕虜もいたという。
米兵捕虜の最後の姿は、どんな着物だっただろう、どんな靴であっただろう。
ひろしまを訪ねて驚きました。
爆心地近くの地下壕にいれられていた米兵捕虜たちはやがて死ぬかもしれません。
いや、或いは生きたかもしれないのです。
けれどその前に日本人が虐殺しているということを知りました。
わたしたちは震えながら米兵捕虜の死を描きました。

Posted by いとう茂 at 14:03│Comments(0)
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