2012年10月07日

イソップ物語から⑯

「キツネとキコリ」

キツネが狩人に追われて逃げている最中、
キコリとバッタリ出会いました。
「狩人に追われています。どうか私をかくまってください」

とキツネが懇願するので、キコリは自分が使っていた
小屋に隠れるようにすすめました。

しばらくすると、狩人がやってきて、
キツネのことを尋ねました。キコリは、
「見てないよ」
と答えながらも、身振りでコッソリと
キツネの隠れている小屋を指さしました。

しかし、狩人はあわてていたので、キコリの身振りには気付かず、
森の中へ行ってしまいました。

その後、キツネは小屋から出てきたのですが、
挨拶もせず立ち去ろうとしたので、
キコリが非難しました。
「命の恩人に一言もお礼の言葉がないとは、
なんて恩知らずな奴だ」

すると、キツネは次のような捨てぜりふをはいて行ってしまいました。

「あなたの行動と言葉が同じだったら、
きっと私だって感謝していたことでしょう」


意識してあるいは無意識のうちに自分がキコリに
なった回数と、狐であった回数。

単純な回数の比較ではなしに、
たった一度のキコリで、時のかなたに流してしまったものを
取りに戻ることはかなわない。

戻れないから生きていけるのか、
生きているから戻れないのか。

定かではないが、愚かな自分がいたことだけは事実です。

たった一つの大切を、大切に・・・・

Posted by いとう茂 at 13:56│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。