2012年10月18日

イソップ物語から⑰

地方行財政の研修会もあと2日です。
滋賀県からは高島の議員と二人で、グループには岐阜と神奈川
山形、佐賀、兵庫の議員が一緒ですが、
それぞれ訛りがあってグループ討議でも、
結構、日本語が分かり辛いものがあります。
たぶん、ほかの議員も同じだと思うのですが・・・・・。
大津ではせいぜい堅田弁か田上弁くらいですので 
さほど理解に苦労はしないのですが、日本の広さを
こんなところで再認識しています。   


「ライオンとネズミ」

ライオンが昼寝をしていました。
すると一匹のネズミがやってきて、ライオンの体の上に登りました。
「すべすべして、気持ちがいいや」
ネズミはライオンの上を、嬉しそうに走り回りました。
その途端、ライオンが目を覚まして、ネズミを捕まえました。

「昼寝の邪魔をするとは、とんでもないやつ」
ライオンがネズミを食べようとしたら、
ネズミが泣きそうな声で言いました。

「お願いです、どうか命だけはお助けを。
決して、昼寝の邪魔をするつもりはなかったのです。
ライオンさんの体が、あんまりすべすべしていたから、つい・・・」

「いいや、許すわけにはいかん」
「そんなこと言わないで。もし許して下さるなら、
きっと恩返しをしますから」

「何、恩返しだと。お前みたいなちっぽけな奴に何ができる」
ライオンは笑いました。

「いいえ、たとえちっぽけな体でも、
きっとお役に立てる時があると思います」
ネズミがあんまり一生懸命頼むので、
ライオンは食べるのがかわいそうになり、

「わかった、さっさと行け」
と、ネズミを逃がしてやりました。

「やれやれ、もう一眠りするか」
ライオンはぐっすり眠って目を覚ましたら、
何んと、体が思うように動きません。
はっとして体を見ると、なんと太い縄で木に
縛り付けられているではありませんか。
ライオンが眠っている間に、
猟師たちが、ライオンを生け捕りにしたのです。

「しまった!」
ライオンは力を振り絞って、縄を切ろうとしました。
でも、もがけばもがくほど、縄が体に食い込みます。
ライオンは苦しくて何度もうめき声を上げました。

すると、その声を聞いて、さっきのネズミが駆け付けてきました。
「大丈夫、私が助けてあげます」

ネズミは鋭い歯で、縄のあちこちをかみ切りました。
「ありがとう、助かった」

自由な体になったライオンは、ネズミに何度も頭を下げました。
すると、ネズミが言いました。
「この前、あなたは、ネズミのようなちっぽけな奴に何ができると、
笑いました。でも、これでおわかりでしょう。
ネズミにだって、ちゃんと恩返しができることを」

ライオンはうつむいたまま、何も言い返す言葉がありませんでした。


「アリとハト」

のどの渇いたアリが、泉のそばに来て、水を飲もうとしました。
体を前に出した途端、足を滑らせ、泉の中に落ちました。
「助けてくれえ・・・・・・」

アリは夢中になってもがきましたが、
泉の真ん中へ流されていくばかりです。

それを木の上で見ていたハトが、木の葉を一枚もぎ取って、
アリの所へ投げてやりました。
アリは必死で木の葉にしがみつき、その上に乗ることができました。
「ありがとう、ハトさん・・・・」
と、言おうとしたら、目の前に鳥さしの足がありました。
鳥さしは、鳥もちのたっぷりついた棹で、木の上のハトを狙っています。
そこで、アリは鳥さしの足に飛びつき、思い切りかみつきました。
「いたい!」
鳥さしはびっくりして棹を投げだし、足をおさえました。

ハトはその声に気付き、
「アリ君ありがとう」
と言って、逃げていきました。


恩返しにまつわる話ですが、
どうでしょう、誰かのために何かをした後に、
ネズミのような態度をとることが多い気がしませんか。
人から受けた恩は石に刻んで、
人に与えた恩は水に流す。
簡単なようで実践するのは・・・・・・。

Posted by いとう茂 at 12:32│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。