2015年08月17日

丸飲み

小さい犬に枝豆をやると噛まずに丸飲みします。
ベビーボーロも丸飲みです、ゆっくり噛んで食べろよ、
誰も盗らないから。
通じるはずがありません。

好物を丸飲みするのは理解できます。
我々は、時として納得いかないことを丸飲みしなければ
いけない場面があります、おだてられて二階に上ったら
いきなり梯子をはずされる。
ホイホイ上った自分に思慮が足りなかった、そう思って反省するまで
かなり時間がかかるものです、自分が決めて上ったのに
誰かに勧められて上ったことばかりが意識の中にあり、
責任を他人に転嫁する、梯子をはずされても、そこで自分にできることをする。
自分が耕す畑がいつもいつも肥沃な畑だとは限りません、
他人の畑の作物が立派なものだとしても、自分のものではありません。
もっと、もっと耕せと折れそうな心を励ますしかありません。

そんなことは十分に承知していても、それでも弱い人間ですから時には、
やけ酒を飲んで憂さを晴らすこともあるでしょう、それも、その時だけの
一時しのぎ、酔いがさめれば現実の続き、そのことも承知でもそうしてしまう
弱い人間、弱い自分と対峙して気持ちを強く持てる人、押しつぶされる人。

周囲の人に起きている不条理な出来事を自分のこととして受け止め、
日頃から自分ならどうするだろうというトレーニングは必要です。
人の不幸は蜜の味といいますが、蜜を味わってばかりいると
自分に降りかかった不条理で誰かに蜜を味わわせることになります。
因果応報とはこういうことでしょう。

時々出てくる矛盾した考え、自分は思っているほど弱くない、
自分は思っているほど強くない、どちらの考えがいいのか、
若いころは自分は思っているほど弱くない、そう思って意地を張ったり
無茶をしたことが多かったと思います、今でもそういう部分は残っていますが、
最近は自分は思っているほど強くない、その考えが主流になってきました。
強くないから受け入れる、拒否しない、弱い人間が愚痴を言っても始まらない、
そう思うと新しい道が見えてきます。

丸飲みするのも現実、それを好む者は、それを楽しむ者に如かず。
逃げても逃げても、万が一逃げ切れても、生きている限り不条理なことは
出てきます、一時の楽でも、その後に続く苦しみのことを考えたら
逃げずに丸飲みして、しっかり向き合う方がいいように思います。

自分の責任で飲み込んだと考えれば少しは気持ちが楽になりますし、
覚悟もできるように思います。
わがものと 思えば軽るし 笠の雪




Posted by いとう茂 at 12:40│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。