2022年11月01日

便りがないのは元気な証拠です

もう1年以上えこーに来ていない相談者親子がいます。
相談が途切れることは珍しいことではありません。
親か当事者の体調が悪いと途切れることはよくあります。
その他では親が自分は大変苦労している、そのことを分かってほしい、
そんな気持ちが前に出て子どものことを客観的に見ている
親も相談が続かないことがあります。
えこーに来て「大変ですね」「苦しいでしょう」「辛いですね」
そんな同情の言葉を期待する相談者もいます。
今回、相談がないのはうまく言っているケースです。
中学校でいじめられて心のバランスが崩れ、
そこから不登校になりえこーに相談に来ていました。
大津市外ですが、住んでいる地域に相談窓口がなくて
えこーまで来ていたのですが、当事者は来ずにいつも親だけの面談でした。
中3になって進路の話が学校であり、
親は県内外の通信制と定時制の高校の資料を取り寄せて、
オープンキャンパスにも親子で参加して子どもの進路を探していました。
学校に行けないので学力が低いというのが理由ですが、
面談で話を聞いていると真面目な子どもで、
何事も一所懸命に取り組むことが見えてきました。
「進路について、子どもさんはどう思っているのですか」
「子どもは全日制に行きたいと言っていますが、
今の成績では担任からは厳しいと言われています」
「定時制や通信制の高校のオープンキャンパスに行って、子どもさんは嬉しそうですか」
「あんまり乗り気ではないので、ついつい京都まで行ってきました」
そんな会話があったと思います。
全日制に行って合わなければ定時制に移ることも可能です、
えこーのスタッフ会議で親が先回りしすぎているのでは、そんな結論が出ました。
丁度この時期だったと思います、面談で親に子どもさんの希望を聞くと、
親は相変わらず全日制を希望している、
担任も全日制は厳しいとのことでしたが、えこーとしては子どもの希望を優先した方が、
本人も生活に張りが出ると考え、全日制を勧めました。
三者懇談でも親に子どもの味方になって担任が定時制を勧めても、
全日制でブレないでと頼みました。
懇談で親の踏ん張りもあり、担任も応援してくれて全日制合格、
ここで話は終わりません。
通学時間が長いのと学校の雰囲気が自分に合わないと子どもが判断して、
そこから定時制に移って楽しく学校に行っている、
自分には全日制が合わないことがよく分かったと納得しているということでした。
この報告から便りがありませんが、便りのないのは元気な証拠ですし、
親が子どもの思いを考えずにレールを敷いても、
そのレールに乗ることが正解だとは限りません。
行きたい方向があるのに無理やり違う方向に進まされても、
やる気は出ないと思います。
寄り道ができるから人生に味わいが出るのだと思います。

Posted by いとう茂 at 15:15│Comments(0)
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