2024年07月27日
墓乞食
こんな日本語があるのか知りませんが、今から60年以上昔に田舎の墓に一人の乞食がいたのを覚えています。
乞食と言うと差別用語になるのか分かりませんので、浮浪者にしておきます。
その浮浪者は寺の本堂の縁の下にいました、裏手の板が外れてそこから縁の下に入り、むしろをかぶって半定住のようでした。
田舎に帰るのは正月、5月の祭りとお盆の3回でした。
田舎に帰ると親に連れられて墓参りに行きました、その墓参りで何度か浮浪者が縁の下にいるのを見ています。
墓参りでお供えの餅や饅頭、稲荷ずしも見たことがありますし、1合瓶の日本酒もありました。
そうしたものを浮浪者は食べて命をつないでいたのだと思います。
しかし、浮浪者が墓の中を歩いている姿は見ませんでした、墓参りが終わり何度も振り返ってみたのですが、浮浪者はずっと縁の下にいるようでした。
お供えを食べるのは浮浪者だけではなく、カラスやトビも狙っています。
先を越されないように人が帰ったらすぐに取りに行くことも出来たと思いますが、そうしなかったのは浮浪者なりの仁義かと考えています。
お供えはお参りした人が先祖のためにするものです、それを先祖が味わってもいない間に横取りすることは仏の罰があるかも知れないと考えていたのかも知れません。
たとえカラスやトビに先を越されても、日が暮れて墓参りに誰も来ない時間になってから、失敬して腹を満たす。
浮浪者までゆったりとのどかな時間を過ごしていたのかと感じます。
乞食と言うと差別用語になるのか分かりませんので、浮浪者にしておきます。
その浮浪者は寺の本堂の縁の下にいました、裏手の板が外れてそこから縁の下に入り、むしろをかぶって半定住のようでした。
田舎に帰るのは正月、5月の祭りとお盆の3回でした。
田舎に帰ると親に連れられて墓参りに行きました、その墓参りで何度か浮浪者が縁の下にいるのを見ています。
墓参りでお供えの餅や饅頭、稲荷ずしも見たことがありますし、1合瓶の日本酒もありました。
そうしたものを浮浪者は食べて命をつないでいたのだと思います。
しかし、浮浪者が墓の中を歩いている姿は見ませんでした、墓参りが終わり何度も振り返ってみたのですが、浮浪者はずっと縁の下にいるようでした。
お供えを食べるのは浮浪者だけではなく、カラスやトビも狙っています。
先を越されないように人が帰ったらすぐに取りに行くことも出来たと思いますが、そうしなかったのは浮浪者なりの仁義かと考えています。
お供えはお参りした人が先祖のためにするものです、それを先祖が味わってもいない間に横取りすることは仏の罰があるかも知れないと考えていたのかも知れません。
たとえカラスやトビに先を越されても、日が暮れて墓参りに誰も来ない時間になってから、失敬して腹を満たす。
浮浪者までゆったりとのどかな時間を過ごしていたのかと感じます。
Posted by いとう茂 at 08:23│Comments(0)