2024年03月21日

その人たちの生涯は

その人たちの生涯はどうだったのかと考えていました。
母親に続いて長女が亡くなったと報告がありました。
どちらも急病だったということでした。
母親はご主人と死別しています、軽度の知的障害で成年後見補佐人がついていました。
長女は重度の知的障害で、こちらは成年後見人がついていました。
金銭管理ができないので、毎週、補佐人と後見人が定額を金融機関に振り込んでいました。
それが1週間の生活費でしたが、週の初めに使い切ったことも何度もあったようです。
長女は後見人がお金をくれないと、いつも不満を言っていましたし、自分たちのお金を後見人が盗んでいるような気持ちも見えました。
後見人とも何度か話をしましたが、それはそれは優しい心根の人で、わずかな手数料をもらうだけで、そこまでやるかと思ったものです。
夜中でも構わず大声を出してケンカをしますし、テレビも大音量でしたので、隣近所から苦情が出て、知っているだけでも3度引っ越しをしています。
死んだのは市外ですので4度か5度の引っ越しをしたのだと思います。
この親子は周りから見れば迷惑者だったに違いありませんが、当人たちは何を思っていたのか。
苦情を言われて後見人が周りに謝罪したこともしばしばで、これがなかったら引っ越しの回数はもっと多かったでしょう。
母親も長女も、これまでに心から喜んだり、大きな感動もなかったのではないか、旅行にも行けずに毎日がケンカと買い物だけの連続。
何も考えずに生きていたとは考えられません、知的障害者ということで、周囲の目も覚めていたかもしれませんし、優しくされた経験も少なかったでしょう。
それでもやりたいことや行きたいところはあったと思います。
朝、目が覚めて「生きている」この実感だけでも幸せだと感じなければ・・・・。
  
Posted by いとう茂 at 12:41Comments(0)