2012年08月30日

長所・短所

彼はすごく気が付き、会議の進行の段取りから、
資料の用意はもちろん、誰がどの席に座るか、
お茶を出すタイミングまで計算をして当日を迎えます。

一見非の打ちどころのない性格で、こういう人が
会社にいてくれたら周囲は大助かりでしょう。

その彼が、病気で30日ほど会社を休みました。
困ったのは普段まかせっきりの連中です。

決算間近で、審議案件が山積みです。

急遽、会議の資料を段取りすることになった
係長は、昨年の会議録をひっくり返して
準備をしましたが、会議当日になり、
参考資料がないと役員から叱責されたり、
進行がマズイと注意を受けました。

すったもんだの末、何とか会議が終了しました。
「ふぅー」というため息とともに出てきたのは、
こんな大事な時に病気になりやがってという
愚痴でした。
病人を気遣うよりも愚痴が先です。

気配りのできる彼を仮に太郎さんとしておきましょう。
太郎さんはみんなのために良かれと、毎回気を配って
会議の段取りをしていましたが、
本当にそれがみんなのためだったのでしょうか。

周囲がその人に頼り切って後任が育たない。

過ぎたるは及ばざるがごとし。

太郎さんがしていた段取りを治郎さんや三郎さんが
代わってするかというと、しないことの方が多いのが
世の常ではないでしょうか。

そういう意味では、太郎さんは能力的な評価は
高いものの、人格的な評価はいま一歩だったのかも知れません。

そう考えると、長所に見えていた部分が実は短所
であることもあります。

頼まれるといやといわずになんとかしてくれる。
情にほだされやすく我を通す。

表裏一体かもしれません。

いつも温和で温厚。
優柔不断で煮え切らない。

人の性格の判断にはその人の能力だけでなく
人格そのものも加味して判断するのが正しい
のではないでしょうか。

Posted by いとう茂 at 15:01│Comments(0)
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