2021年11月05日

寂しい国民宿舎 土佐の閉館


時間があったので何気なく、ネットで四国遍路のことを調べていたら・・・・・。
出てきた記事は寂しい知らせでした。
高知市内から須崎市に向かう途中に36番札所の青龍寺があります。
近くには明徳義塾高校があり、大相撲の元横綱の朝青龍の出身校で、
しこ名はこの札所から来ているようです。
長い階段を上り下りして若き日の朝青龍は足腰を鍛えたのでしょう。
階段の上が本堂と大師堂で、そこから奥の院につながる
岩場も混じる上り坂を上って道路に出ると右手へ、
ほどなく国民宿舎に到着します。
ただ、お参りがすむと一旦下まで降りて納経になりますので、
改めて階段を上るか横のスロープを上ることになります。

新しいとはお世辞にも言えない建物ですが、
ロビーにはピーターラビットと同じ種類の大きいウサギがいたり、
外にはヤギや軍鶏も放し飼いで触れることができますし、
宿泊料金も遍路パックなら2食付きで7000円くらいだったと思います。
これだと刺身を1品追加してビールを飲んでも福沢諭吉さんで
お釣りがありました。

しかし、ここが閉館になって一番寂しいのは
露天風呂に入れないからです。
歩いてへとへとになって入る露天風呂からは、
見事なくらい開けた景色の中に、ほぼいっぱいに広がる太平洋、
夜は暗い海にイカ釣り漁船の明かりがつき幻想的な雰囲気でした。
風呂自体はそれほど広くはないのですが、3度泊まりましたが
誰かと一緒だったという記憶はありません。
いつも貸し切りで太平洋を独り占め・・・・。
こうしたロケーションは四国遍路ではここしかありません。

実は4度目もここに泊まろうと前後の札所を残していました。
閉館になったのは2017・8年ですから、少し前ですが
その情報を知らなかった・・・・・そんなに忙しいのかよう。
この土佐は、ずっと前にも閉館になっていたという話を
聞いたことがあります、それを若い人が何とかもう一度と
営業を始めたということでしたが、近くに観光地もなく
公共交通機関もほとんどない立地ですので、
維持できなかったのでしょう。

ここに泊まった次の日は、須崎市の運営する渡し船で
10キロほど移動するのも恒例でした。
2時間ほどかかりますが、歩いて移動するのと大差がないので、
船に乗るのも楽しみでした。
露天風呂と渡し船で英気を蓄えて、安和か焼坂トンネルを抜けて
土佐久礼まで歩き、そこで泊まって次の日は
大阪遍路越えかそえみみず遍路を歩いて、
37番の岩本寺までがコースでした。
土佐が閉館となればコースの組み換えを考えないといけません。
と言っても近々に行く予定はないのですが・・・・。
いつまでもあると思うな親と露天風呂・・・・です。
  
Posted by いとう茂 at 15:15Comments(0)