2022年03月21日

去って逝った人へ

あなたが逝ってからもうすぐ11年になるのですね。
去る者日々に疎し、とはよく言ったものです、うちに来るたびに
「8・25 8・25」とカンボジアに行く日を連呼していたのが平成8年、
もう26年前になります。
成田か羽田か忘れましたがバンコク経由でカンボジア入りでした、
あなたは何度かカンボジアに行っているベテランでしたが、
私は初めてのカンボジアで、海外旅行も新婚旅行だけの人間でした。
バンコクで案内された部屋にはなぜかダブルベッドが1つ・・・
「俺は別にかまへんで」あなたはよくてもこちらが困ります。
すぐにシングル2つに入れ替えてもらいました。
プノンペンでは二人の部屋に同じツアーの人たちを呼んで宴会でした。
途中でお酒がなくなり近くのスーパーらしき店まで「伊藤はん、
パスポートは置いて行きや、お金もたくさん持って行ったらアカンで」
酔っているのか素面なのか・・・。
小遣いは1ドル札で300ドル、海外旅行ではかなり少ない額でしたが・・・・
残りました。
フロントで教えてもらった通り、真っ暗な道路の先にスーパーらしき
明かりがついていました、道路には現地の人が大勢座って私を見ていました。
ヤバいとこに来たなぁ、正直あの時は思いましたが、ウイスキーとビール、
それにつまみになるものを買って無事に帰って宴会続行でした。
アンコールワットのあるシェムリアップに着いて驚いたのは、
空港の滑走路で降ろされてロビーまで歩いて行ったことと、
360度に広がる青空でした。
周囲には高い建物もなく、山も見えないので立っている視線の先から空でした。
あの風景は今でも忘れられません。

同じホテルで3泊だったと思います、あなたは夜になると隣のホテルに行って
知り合いの支配人たちと大宴会「ホテルのラウンジを借り切って
みんなで飲んでも2万円」とか言っていました。
私は泊まっているホテルで留守番、添乗員に誘われてホテルのバーで
水割りを飲むくらいでした。
私を困らせたのが料理です、おいしくないパンと薄いコーヒー、
二日目からはタイ米に塩をかけてコーヒーの代わりにビールで過ごしました。
昼と夜には魚料理が出ましたが、生臭くて口元まで持ってくるのが限界、
こちらもタイ米とサラダとビール、ホテルの隣は市場で朝早く見に行くと、
大きな川魚が道端に積まれていました、これは食べられないと改めて
思ったのと、ラーメンのスープがカンボジアは真っ黒なんだと
思っていたのですが、料理人がシャクでスープを器に入れようとすると・・・
黒いのは全部ハエでスープは真っ白・・・スープを器に入れると
ハエが戻ってきてまた真っ黒、こんなもん食えるか・・・
でもあなたは食べてましたね。
アンコールワットの上に座って見ていた夕日は綺麗でした、
午前中と夕方からの観光で、昼間はホテルで昼寝・・・昼飲みでした。
食べるものはタイ米があれば何とかなりそうです、
もう一度一緒に行きたいと思っていたカンボジアですが、
それも叶わずじまいでした。
  
Posted by いとう茂 at 12:42Comments(0)