2016年12月15日

一事不再議と雪女

一事不再議という耳慣れない言葉ですが、議会などで
一度議決・決定した事柄については、同一会議中または会期中には、
再度審議することはできないとすることです。
似た言葉の、刑事事件の裁判で、確定判決がある場合には、
当該事件につき再度実体審理をすることは許されない、
「一事不再理の原則」とは異なりますが、一般にはあまり
関係がないと思います。

一事不再議は議会でもあまり出てきませんが、説明に
重大な間違いがある場合には再審議もあります。
昨日の教育厚生常任委員会で請願の審議の後に、
出てきそうになり休憩をはさんで再審議はしないという
ことになりました。
委員会は長引きましたがめったにない経験で、知識が一つ
増えたというところです。
今日は比叡山も比良山も雪化粧で寒々しい風景でしたが、
それなりにすがすがしさと身の引き締まる思いです。

むかしむかしの、寒い寒い北国でのお話です。
あるところに、茂作とおの吉という、木こりの親子が住んでいました。
この親子、山がすっぽり雪に包まれる頃になると、
鉄砲を持って猟に出かけて行くのです。
ある日の事、親子はいつもの様に雪山へ入って行きましたが、
いつの間にか空は黒雲におおわれて、吹雪となりました。
二人は何とか、木こり小屋を見つけました。
「今夜はここで泊まるより、仕方あるめえ」
「うんだなあ」
チロチロと燃えるいろりの火にあたりながら、
二人は昼間の疲れからか、すぐに眠り込んでしまいました。
風の勢いで戸がガタンと開き、雪が舞い込んできます。
そして、いろりの火が、フッと消えました。
「う~、寒い」
あまりの寒さに目を覚ましたおの吉は、その時、人影を見たのです。
「誰じゃ? そこにおるのは?」
そこに姿を現したのは、若く美しい女の人でした。
「雪女!」
雪女は、ねむっている茂作のそばに立つと、口から白い息を吐きました。
茂作の顔に白い息がかかると、茂作の体はだんだんと白く変わっていきます。
そしてねむったまま、しずかに息をひきとってしまいました。
雪女は、今度はおの吉の方へと近づいてきます。
「たっ、助けてくれー!」
必死で逃げようとするおの吉に、なぜか雪女はやさしく言いました。
「そなたはまだ若々しく、命が輝いています。
望み通り、助けてあげましょう。
でも、今夜の事を、もしも誰かに話したら、その時は、
そなたの美しい命は終わってしまいましょう」
そう言うと雪女は、降りしきる雪の中に、吸い込まれる様に消えてしまいました。

おの吉は、そのまま気を失ってしまいました。
やがて朝になり、目が覚めたおの吉は、父の茂作が
凍え死んでいるのを見つけたのです。
それから、一年がたちました。
ある大雨の日。
おの吉の家の前に、一人の女の人が立っていました。
「雨で、困っておいでじゃろう」
気立てのいいおの吉は、女の人を家に入れてやりました。
女の人は、お雪という名でした。
おの吉とお雪は夫婦になり、可愛い子どもにもめぐまれて、
それはそれは幸せでした。
けれど、ちょっと心配なのは、暑い日差しを受けると、
お雪はフラフラと倒れてしまうのです。
でも、やさしいおの吉は、そんなお雪をしっかり助けて
仲良く暮らしていました。

そんなある日、針仕事をしているお雪の横顔を見て、
おの吉は、ふっと遠い日の事を思い出したのです。
「のう、お雪。 わしは以前に、お前の様に美しいおなごを見た事がある。
お前と、そっくりじゃった。山で、吹雪にあっての。
その時じゃ、あれは確か、雪女」
すると突然、お雪が悲しそうに言いました。
「あなた、とうとう話してしまったのね。あれほど、約束したのに」
「どうしたんだ、お雪!」
お雪の着物は、いつの間にか白く変わっています。
雪女であるお雪は、あの夜の事を話されてしまったので、
もう人間でいる事が出来ないのです。
「あなたの事は、いつまでも忘れません。
とても、幸せでした。
子どもを、お願いしますよ。
では、さようなら」
その時、戸がバタンと開いて、冷たい風が吹き込んできました。
そして、お雪の姿は消えたのです。
  
Posted by いとう茂 at 12:17Comments(0)