2021年01月21日

思い出し遍路59

伊予桜井駅から1時間ほど歩くと湯ノ浦温泉の
道の駅がありました。
休憩を兼ねて中に入ると観光案内所のような窓口があり、
今夜の宿泊をお願いしました。
確か、湯ノ浦ハイツというホテルだったと思います、温泉に
浸かれるのは嬉しいのですが、キャリアカーを引いて坂を
上らなくてはいけません。
歩いた距離はそれほどではありませんが、足腰の痛みに
加えて西日が強く、フーフー言いながら坂を上り何とか
ホテルに到着です。
宿泊はここでも遍路パックがあり、それを利用しました。

遍路パックがあっても普通のホテルです、遍路道沿いにある
民宿なら無理を言って5時から朝食も可能ですが、ホテルだと
そうはいきません、前日の歩きは予定より短かったので、
少しでも早く出て歩きたかったのですが、チェックアウトは
7時半を回っていました。
60番の横峰寺へは裏道から上る予定でしたので、まずは
61番の香園寺まで15キロほどの歩きです、時間にすると
4時間足らずで、昼前に札所に到着するはずです。

この日も天気が良かった記憶があります、朝から暑くて汗を
かきながらの歩きでした。
愛媛の歩きも終盤に入っており、このあたりでは歩き遍路に
出会うのは札所か民宿くらいで、歩いている途中ではよれよれの
白衣を着て、とぼとぼ歩いている遍路に出会うことはほとんど
ありません。
坂道を歩いていると、軽自動車が止まり女性が出てきて、手を
振っています。
近づくと「おはようございます、どうぞ乗ってください、お接待です」
と、車で札所まで送る接待をしてくれるということでしたが、
「すいません、歩いて遍路を続けているので、気持ちだけ頂きます
ありがとうございます」と返事をしたのですが・・・・。
61番の香園寺までは距離もあり、歩くのは大変だからと車に
乗ることを勧めてくれます、ここまで歩いてきてつながっている
遍路のコースを、ここで車に乗れば切ってしまうことになります。
打ち戻りと言って同じ道を行って帰ってくるのなら、片道は車で
移動というのは許容範囲ですが、59番の国分寺から61番の
香園寺まではずっと歩くだけですので、せっかくの好意も受ける
わけにはいかず、ひたすら断るだけでした。

今なら、こうした接待があれば迷わず甘えるだろうと思いますが、
1巡目で歩くことにこだわっていたために、好意を無にしてしまい
相手の女性に不快な思いをさせてしまいました。
歩くことにこだわることで視野が狭くなり思慮不足だったと思います。
いいか悪いかは別にして、様々な形で気づきを与えてくれる歩き
遍路です。  

Posted by いとう茂 at 15:46 │Comments(0)
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