2012年11月03日

6年4組物語⑬

この物語はフィクションであり
登場人物は架空の人物です


「発表を続けます。先ほども言いましたが、
このコースは、本来、杉田さんが考えた
コースで、委員からの見学場所の追加要望もありましたが、
それはここに入れていません。
ですから、このコースが選ばれたら再度、委員会で
要望をどの程度入れられるか検討します」

北川君は改めて説明を行いコースの
発表を始めました。

「それでは発表します。学校から京都経由で兵庫に入ります
本当は、京都、大阪、兵庫で行きたいのですが。
そうすると10県になるので遠回りですが、このコース
で行くしかありませんとのことで、大阪は帰りも通りません。
大阪を通ると京都を通らないと帰れないからです。

神戸港からのフェリーの始発に間に合うように
着いて、香川の高松港に行きます。
高松からは観光バスで移動します。
午前中に、栗林公園か屋島の沖にある、鬼が島の散策です。

鬼が島には、モアイ像や大洞窟があります。
長さは400mとも言われ、元々は女木島という名前らしいのですが、
桃太郎伝説で鬼が島というとのことです。
昼食は、讃岐うどんです。お腹いっぱい堪能してください。

それから、高速道路で2時間半くらい走り松山に移動して、
松山城、正岡子規記念博物館の見学をします。
そして一番、楽しみにしている道後温泉本館で
温泉につかります。
ここも、途中の今治によって、
しまなみ街道にかかる吊り橋や、藤堂高虎の手による
今治城の見学も捨てがたいので細部の検討を考えます。
高虎は膳所城も手掛けていますので、水城の膳所城との
比較も社会の勉強になると思いますが、みなさんが
このコースを選んでくれたらもう一度、時間配分から
考えてみようと思います。

それから1日目の宿泊は梼原という小さい町にします。
ここは、坂本竜馬が維新の志を抱いて脱藩した道が残っていて
入口の付近には竜馬をはじめいくつかの像があります。
ここには、宮野々番所というのがあり竜馬はこの
番所を破り脱藩しました。

他にもいくつか番所がありました高知から愛媛へ抜ける
ためには宿毛から少し行った松尾峠を越えなければならず、
ここにも番所が置かれていましたし、徳島から高知に入るには
室戸の岩佐口の番所がありました。
参勤交代で必ず通ったのが高知市内から
山手に入った立川の番所です。
まだ番所はあったようですが・・・・。

ちなみに、総理大臣だった吉田茂は高知県の出身で、
竹内家から養子に出されて吉田家に入っています。
竹内家が生活に困っていた気配はありませんので、
何故、吉田茂が養子に出されたのかは不明です。
吉田茂の弟が小松製作所の創業者です。

貿易商を営みお金持ちだった吉田家で茂の養母になったのが、
江戸時代の終わりに言志四録を残した
佐藤一斎の孫の士子(こと子)です。
茂は養母から一斎の教えを受けて、政治家になった後も
その教えを支えに政治活動をしたと言われています。
ちょっと横にそれました、話を戻します。

早朝に見学を済ませて、朝食後に20キロほど離れた所に
四万十源流の家というのがあるので見学して、
四万十川に向かいます。
できれば四万十川では川下りを楽しみたいと思っています。

11時ころに四万十を出発し、足摺岬に行きます。
四国では、室戸岬の最御崎寺(ほつみさきじ)と並んで
除夜の鐘で有名な金剛福寺にお参りをします。
どちらも四国88か所の札所です。
もちろん展望台にも行って太平洋を眺めたいと思います。

ここでは昼食に、カツオのタタキを堪能します。
もちろん塩タタキも食べたいと思います。
土佐清水市はカツオで有名なところですので、期待してください。

そこから、須崎まで戻り高速に乗って、高知城に行き、
日曜日なので有名な高知の朝市を見学します。
朝市は夕方までやっているので時間的には間に合います。
たぶん3時か4時になると思いますが、桂浜に行って、
坂本竜馬の銅像の前で記念撮影をします。

そして、時間が許す限りボーッと太平洋を眺めたいと思います。
1日目に梼原に泊まったので、2日目は高知県には泊れませんので、
夕方ですが太平洋沿いに室戸岬に行きます。
室戸岬を回って徳島県に入り、1日目の道後温泉に続き、
温泉のあるところに泊まりたいと思います。

3日目は藍染めや阿波踊りの記念館に行き、
昼食は徳島ラーメン、眉山にはロープウェイで上れますし、
祖谷のかずら橋にも行ってみたいと思いますが、
午前中の予定をいくつか削って、祖谷のかずら橋と鳴門の渦潮が候補です。
時間があれば、阿波踊り会館や藍染め見学をと
考えています、ただし、昼食の徳島ラーメンは譲れませんとのことです。

3時ごろに徳島港からフェリーで和歌山港に着き、
和歌山から奈良を通って三重から帰ってきます。
これで、京都、兵庫、香川、愛媛、高知、徳島、和歌山、
奈良、三重の9県になります。学校には夜の8時ころに帰ってきます。

それと、このコースは逆でもいけるということです。
それだと室戸を通らず、祖谷のかずら橋から大歩危小歩危で、
高知市内に入り、高知城、日曜ではないので朝市はパスで、
桂浜、このあたりで昼食です。

それから四万十源流の家と竜馬脱藩の道は飛ばして、
四万十川の川下り、足摺岬経由で土佐清水で
カツオをづくしの夕食と宿泊。

2日目に宿毛から愛媛に入り、大洲、内子では昔のまちなみを
散策して松山で正岡子規の記念館と道後温泉。
今治でしまなみ街道を見学して今治泊、
夜は今治名物の焼き鳥。
3日目は香川で金毘羅、鬼が島、讃岐うどんと栗林公園、
3時ころのフェリーで神戸にわたり日本海の夕日を見ながら
京都経由で帰ってきます。

これが杉田さんのコースです。発表を終ります」

「みんなご苦労さんでした、北川君そうしたら
投票に入ろうか」
田川先生が促しました。

「はい、それでは投票にうつります。
今から投票用紙を配りますので、さっきも言いましたが、
自分が行きたいと思うコースを発表した人の名前を
書いて前の投票箱に入れてください。自分の名前はいりません、
無記名投票です、よろしいですかー!」

投票用紙が配られました。
サッと書く人や隣の人と相談している人がいます。

「みんな投票してくれましたか?
それでは開票します。津川君悪いけど
黒板に結果を書いてくれますか」

津川君が前に出てきて準備は整いました。

「それでは読み上げます」


ちょうど時間となりました。
またの続きはこの次に、それではみなさん
ごきげんよう。
  
Posted by いとう茂 at 14:06Comments(0)