2014年08月21日

保護司研修会に参加して

8月17日の午後から保護司研修会に参加してきました。
グループ討議が主で私を含めて7名のグループでした。
まず、発表者と進行役を決めてくださいと保護観察所の
職員がお願いし、討議が始まりました。

どういうわけか発表者も進行役も私と6人の目が言っています。
テーマは「無職等対象者の特徴と背景」「頻回転職をする対象者の
特徴と原因」「就職できない対象者の特徴と原因」。

話し込んでいくとどのテーマにも共通する要素が出てきます。
大津市の保護観察対象者のうち無職は10名です。
データではこのまま無職でいくと10名中3・4名が再犯の可能性があり、
見過ごすことはできない問題です。

無職の対象者の年齢を15歳から50歳に絞り込んで、
その人たちについて討議をすることを提案しました。
「無職等対象者の特徴と背景」で出た意見は、
・家庭環境が恵まれている
  親が若く収入もあり扶養する能力がある、
  衣食住とゲームができれば生活に満足している
・高収入を望む
  水商売を希望し生活リズムが不規則になり仕事が続かない
・学力不足
  本来身に付けていなければいけない学力が身についていない
  社会に出る恐怖、不安
・自己実現の夢がない
・生活というより遊ぶお金だけを稼げたらいい
・居場所がない 住む場所でなく心の部分
・薬物依存で就労できない
・人とのコミュニケーションが図れない

「頻回転職をする対象者の特徴と原因」では
・人間関係
  ITなどの仕事はできるが年齢差があるとうまく人間関係が作れない
・夢を持てない
  小さいころにできていない(学力)ことがある
・先生の思いが届かない
  先生の思いを自分でガードし抜け落ちていく
・適性を見抜けない親の責任
  親が世間体などを気にしてとりあえず高校へ入れたがる、結果
  校風や友人が作れず退学して、ひきこもりにつながる
・フォローする人間が必要、カウンセリング

3つ目のテーマには時間がなくは入れませんでした。
その後も出た意見に対してグループで様々な角度から検討しました。
自立ができない、学力などの土台が不安定でもう一度育ち直しが必要
親が見放してしまう、自己実現の姿が見つけられないのは
褒められた経験が乏しくお金の意味も分かっていないから。

趣味や興味のあるものを見つけ、適性を周囲も考えてあげる
家庭基盤の充実が不可欠、働けと言わずに時間をかけて見守り
内面的なものからアプローチし心を通わせて話すことが重要。

多くの意見が出てきました、対象者にはそれぞれ個別の事情が
ありますが、個人の問題と社会の問題があります、保護司として
係れることにも限界があります、それでもどうにか社会的に
自立してほしいという願いは参加者にあり、熱の入ったグループ討議に
なり、改めて人間が人間を導くことの難しさと、我々が何とかしようと思わないと
動かない現実があることを痛感しました。
  
Posted by いとう茂 at 12:35Comments(0)