2017年06月25日

選択・決断・諦め


生きていく中で私たちは絶えず選択をして物事を
決めて生きています。
決める基準には外的要因と内的要因などがあり、外的要因は
上下関係、人間関係、自分の立場、などがあると思いますし、
内的要因は自分の能力、懐のお金、欲や夢、健康状態などが
あるように感じます。
好き嫌いと損得もこの中に分類できると思います。
そして二つの要因の他に、時間も絡んできて、この程度の
時間ならこのことに使っても大丈夫ということになるのでは
ないかと思います。

具体的にいうと、就職問題を考えて見ると、田舎の家の
一人息子、親は健在ですがいずれは自分が面倒を見ないといけない。
そんな設定で考えて見ると、外的要因は親の老後の問題、長男と
いう立場、内的要因は全国を飛び回りたいという夢、地元の小さい
企業よりも多くの収入がある企業に勤めたい、健康や能力には自信が
あるが、自分ができるかという不安や疑問。
これらのことを考えて選択することになります。

親は自分たちのことはいいから自分がしたいことをしたらいいと、
背中を押してくれるが、田舎なので近所の目も気になるし、転勤で
遠くに行った場合は、緊急時に帰れないことも想定されます。

それでも全国区の企業を選択しました、その後、諦めないといけない
ことは、親元を離れる、当分はマイホームが持てない、子どもも
再々転校がある、ご近所との人間関係が少なくなり長続きしない。
ざっとこんなものでしょうか、これは自分という人間を中心に
考えた場合で、背中を押した両親は、全国を飛び回る息子には、
親の老後の世話について金銭的には可能かも知れませんが、
物理的なもの精神的なものも諦めないといけなくなります、
日々の暮らしの中で買い物や電球が切れた、裏の戸が壊れた
そんな些細なことも頼めませんし、年に1・2度しか孫の顔が見られない
一緒に食事もできない、近頃ですとオレオレ詐偽にあうことも
受け入れないといけないことになります。

同様に奥さんや子どもにも諦めないといけないことが発生します。
やるせない、切ないといえばそれまでですが、受け入れないといけない
現実は淡々と時を刻んでいきます。
人間関係の中で親子や夫婦子どもだけでなく、友人関係でも同様では
ないのでしょうか。
親しかった人と疎遠になるとわかっていても遠い町の大学や企業に
行く選択をしたり、暮らすエリアは変わらなくても役職が増える
ことを選んだり、仕事を変えたりすれば、いつまでも前の通りに
親しくはできません。
もしかすると親しかった人のことが嫌になった、こうした選択もあるので
しょうが、こちらとすればずっと同じところに止まれないでしょう。

自分では親しくしていたいと思っているのに向こうに時間がない、
そう考えるか自分とは違う道を歩くと決めたんだろう、
なるべく邪魔をしないで自分も違う道を見つけよう、
そんな考えもあるでしょう。
親しい友人がうんざりしているのに付きまとうのも選択ですし、
どんな選択をしても、決めたのは自分です。
選択、決断、次は諦める事、何を諦めますか。
  
Posted by いとう茂 at 13:36Comments(0)

2017年06月25日

幽霊を背負った若者

虎穴に入らずんば虎子を得ず、君子危うきに近づかず、
何でもトライすることが前向きではないでしょうし、何もトライ
しないことが消極的ではないと思います。
英断と蛮勇は紙一重、結果オーライで英断と称賛される
こともあれば結果が悪くて蛮勇と非難を受けることもあります。
次の昔話を皆さんならどう受け止めますか。


むかしむかし、京の町のある墓場に、不思議な墓石が二つありました。
その一つの墓石は、夜になると青白い幽霊火に包まれます。
そして、もう一つの墓石は夜になると、
「おそろしや~、おそろしや~」
と、女の人の泣き声をはなつのです。
だから日が暮れると、この辺りには誰一人近づきません。

ある日の事、若者たちが集まって、
「誰か、あのおそろしい墓石まで行って、不思議の謎を解く者はおらんか?」
と、言いました。
すると、武芸の心得がある一人の若者が進み出て、
「よし、おれが行こう」
と、さっそく、墓場へ出かけて行きました。

あたりは真っ暗な上、しょぼしょぼと雨も降り出してきました。
「正直怖いが、何が出ようとも、決して逃げ出してはいかんぞ。わかったな」
若者は何度も自分にそう言い聞かせて、恐る恐る墓場に入って行きました。
すると、うわさ通り、「おそろしや~、おそろしや~」と、
墓石から女の人の声が聞こえて来たのです。
しかし若者は勇気を出すと、その墓石に向かってたずねました。
「一体、何が恐ろしいのだ? よければ、おれがわけをきこう」
すると墓石から、美しい女の幽霊が現れて言いました。
「はい。 実はこの世に、勇気のある人がいるかどうかを確かめようと、
こうして毎晩出ているのです。
あなたに勇気があるのなら、あそこに燃えている墓石のところまで、
わたしを連れて行ってくださいな」
たとえ幽霊でも、相手が美人なら怖くありません。
若者はうなずくと、「わかりました。では、まいりましょう」
と、幽霊の手を引いて、幽霊火が燃えている墓石まで連れて行ってやりました。
すると女の幽霊は、「しばらく、待っていてください」
と、燃えている墓石の中に、すーっと消えてしまいました。

しばらくすると墓石の中で、何やら幽霊同士の話し声が聞こえてきます。
やがて墓石から出て来た女の幽霊は、さっきの美人とはうってかわって、
見るも恐ろしい般若の顔でした。
さすがの若者も、全身の震えが止まりません。
女の幽霊は、「わたしを再び、墓石まで、おんぶしてくださいな」
と、若者の首に、氷の様に冷たい手を巻きつけてきました。
若者は怖さのあまり、気を失いかけましたが、
(ここで気を失っては、男の恥! しっかりするんだ!)
と、勇気をふりしぼって、幽霊を背負いました。
やがて元の墓石に戻って若者が幽霊をおろすと、
幽霊は元の美人に戻って言いました。
「ありがとうございます。 あなたの様な勇気のある人に会う事が出来、
もう思い残す事はありません。さあどうぞ、この袋をおとりなさい」
と、若者に小さな袋を手渡して、墓石の中に消えてしまいました。

若者は急いで仲間のところに駆け戻ると、さっきの墓場での出来事を話して、
幽霊からもらった小さな袋を開けてみました。
するとその袋の中には、金貨や銀貨が何枚も入っていたという事です。
  
Posted by いとう茂 at 00:12Comments(0)