2023年10月10日

責任の取り方

生きていくうえでいくつか責任が出てきます。
果たせればいいのですが、果たせないときに社会的に問題になったり、
賠償責任が発生することがあります。
金銭が伴う賠償責任はいったん置いておいて、
人間として責任の果たし方が正反対のことがあるに気づかされました。
読書の日に読んだ城山三郎の本、
「落日燃ゆ」の主人公になった広田弘毅の生きざまに改めて触れました。
「落日燃ゆ」は以前に読んでいましたが、
ずいぶん昔のことで抜け落ちていることがたくさんありました。
戦後A級戦犯となり、処刑された広田弘毅ですが米軍の取り調べには、
一切反論せずにほとんど関わっていないのに、
すべて認め裁判では一度も証人席に立たなかったといいます。
これとは正反対にすべてを否定した人物がいました。
木戸幸一と言う内大臣を務めた人です。
「自分はやっていない」「その場にはいなかった」と、
とにかく自分の無罪を主張したといいます。
二人の目的は「天皇を守る」でした。
広田弘毅は自分が罪をかぶれば、天皇には罪が及ばないだろうと考え、
内大臣として天皇の片腕と呼ばれた木戸幸一は、
自分が罪に問われれば天皇に罪が及ぶと考えます。
どちらも保身と言うことは考えずに、責任を取っています。
個人の責任としては大きすぎるものかもしれませんし、
広田弘毅は文官上がりで軍とも対立しています。
「自ら計らず」がモットーだったということで、常に人のことを考えた生涯でした。
現在では、命がかかる場面はほとんどないかもしれませんが、
機に臨んでブレない生き方をした人がいたことを、
もう一度心にとどめたいと思います。
  
Posted by いとう茂 at 11:37Comments(0)