2023年01月07日

久しぶりに昔話をしてきました

40年以上前から取引のある会社に行ってきました。
取引が始まる少し前に社長が亡くなり、初めてその会社に行った時には、
亡くなった社長の奥さんが社長をしていました。
現在は、その息子さんが社長で奥さんは会長になっています、
40年前はその社長も大学生だったと記憶しています。
ここ2・3年は会長と出会っていませんでしたので、会社に行くたびに
「会長は元気ですか」と尋ねるだけでした。
40年という歳月は、社員の顔触れも変えてしまいます。
昨年に工場長が高齢で退職し、変わらずいるのは会長だけです。
夏に行った時は、社員が「昔のことを知ってる人が少なくなったと
会長が寂しがってはりました、伊藤さんはいつごろからうちに来てはるんですか」
「20代の半ばくらいですから40年以上昔ですわ」
「もうそんな人は誰もいませんわ、また会長と話をしたげてください」
そんな会話をしていましたが現実になりました。
この会長は20年前にガンで医師から余命1年と告知されていますが、
今も元気にしています。
病院でがん患者の話し相手をするボランティアもしており、
多くの人の人生を聞いてきたと話していました。
現在は3階建てのビルになりましたが、
40年前は平屋のプレハブでそのことを知っているのも、
どうやら私くらいになっているようです。
お客さんには違いないのですが、多額の仕入れをする客ではないのに、
「さあ、こっちでお茶でも飲んで」と奥に案内してもらって昔話に花を咲かせていました。
9月にベッドから落ちて尻もちをついて圧迫骨折で入院していた話は出ましたが、
自分のがんの話は出ませんでした。
医師から車の運転を止められて、どこにも行けないと嘆いていましたが、
還暦を迎える息子もいますし、孫もいますので心配ないと思います。
「寿命と病気は別の物なんやなぁ、医者もそう言うねん、
病気は進行していて医学的には余命1年の状態だったから、
そう告げられたけど病気やから死ぬとは限らないんやわ、寿命はまた別の物なんやわ」
精神力と言えばいいのでしょうか、
いくつになっても強い気持ちが大切なんだと、
もうすぐ米寿の会長に気づかせてもらいました。
  
Posted by いとう茂 at 23:24Comments(0)