2023年10月25日

これも現実②

顔見知りの派遣社員がいます、出身はフィリピンで日本に来て、夜勤で働いています。
住んでいるのはマンションの一室を4・5人でシェアして、
共同で自炊の生活です。
外国人専門の派遣会社もあるようで、
コンビニから工場まで多種の仕事先を抱えているということです。
週5日の夜勤で手取りは20万円くらい、残業もあるためにこの金額になります。
その半分以上をフィリピンの家族に仕送りしています。
向こうでは親だけでなく自分の兄弟も、
この仕送りを大きな頼りにしているということで、
本人は出会ってもほとんど同じ服装です。
買い物は休みの日の夜にスーパーで値下げになった食材を、
派遣仲間と買いに行き冷凍しておくそうです。
夜勤が終わり交代でシャワーをして、冷凍の食パン2枚をレンジでチンして、
特売のマーガリンを塗って特売のコーヒーで朝食、
それから夕方近くまで爆睡、そして共同で夕食を作りわいわいがやがやと、
談笑しながら食事です。
1日で唯一の楽しい時間だと言います。
夜勤の休憩時間も冷凍の食パンを、食堂のレンジでチンして食べるそうです。
「息抜きはどうしてるの」
日本語が話せますので「1年に2・3回カラオケで盛り上がります、
少ない予算ですので食べ物は内緒で持ち込んでいます、
飲み物はソフトドリンクにして、お酒は帰ってから飲みます」と話してくれました。
20歳前半の若者です遊びたい盛りだろうに、
家族を支えるために仕送りをしての生活、いつまで続けるのかは分かりません。
これも現実です。
  
Posted by いとう茂 at 12:41Comments(0)

2023年10月24日

これも現実

タクシーやバスのドライバー不足で、
最近はライドシェアという言葉をよく聞くようになりました。
普通免許のドライバーが人を運んで報酬を得る仕組みのようですが、
プロのドライバーが減少した原因は、
コロナで利用客が減少し雇用者が解雇したことだけではないように感じます。
そもそも給料や福祉面での待遇の悪さが、根底にあったのではと思います。
ずいぶん昔ですが、知り合いのタクシー運転手に、
給料明細を見せてもらったことがあります。
手取りは10万円を切っていました。
「嫁さんに食わしてもらっている」と知り合いは苦笑しながら話していました。
これも現実です。

年金だけでは生活が苦しい夫婦がいます。
奥さんの方は体が悪く仕事どころか病院と縁が切れません。
ご主人はサラーリーマンでしたが、奥さんの医療費に加えて
子どもに障害があり独身で同居しています。
作業所に通っていますが子どもの収入は1か月に2万円ほど、
これは息子のものになりますが、通所して昼食代が必要になります。
こちらがほぼ1万円、この負担は親がしています。
年金は1か月17万円ほどで、ここから税金と水道光熱費、
保険料を差し引くと8万円を切ります。
ご主人は80歳を超えていますが「まだ働かないと生きていけない」と
週に二日警備員をしています。
この収入が7万円ほど、貯金に回せるお金はほとんどなく、
自分たちはいいが子どもの将来を考えると不安でならないと話します。
ご主人も健康面に不安があり、いつまでも警備員をしているわけにはいきません。
家を売却して子どもの将来に備える選択肢も考えていますが、
家も古く立地も不便なところで、高くは売れないだろうと話していました。
家を売却しても警備員をやめれば、そのお金が生活費になることは目に見えています。
これも現実です。
  
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2023年10月23日

聞いていない

例えば・・・・、魚をさばいた包丁を洗わずに、
トマトやキュウリ、リンゴを切ってサラダを作りました。
サラダが生臭いと子どもが食べません、どうしたらいいでしょう・・・・。
こんなことを聞かれたら、どう答えればいいのでしょう。
魚をさばいたら包丁を洗ってください、
魚をさばく前にトマトやキュウリを切ってください、
魚をさばいた包丁と違う包丁を使ってください。
大きく分けて3通りの答えが出てきます。
答えた後に「分かりましたか」「はい」・・・。
普通はこれで一件落着のはずですが・・・・、
次の日になると子どもが生臭いと言ってサラダを食べない。
「どうしました、どの方法でサラダを作りましたか」
「魚が傷むといけないので魚をさばいてから、キュウリとトマトと
リンゴも切って、子どもが好きなバナナも切ったのですが、
子どもは生臭いと言って食べません。
せっかく子どもが好きなバナナも追加したのですが、どうしたらいいですか」
「魚をさばいた後に包丁を洗いましたか」
「包丁を洗うんですか」
「昨日そう言いましたよね」
「包丁を洗うんですね」
「そうです、きれいによく洗ってください」
そしてその次の日も同じように、
生臭いから子どもが食べないのでどうしたらいいかと質問があります。
これが4・5日続き、「子どもがお腹がすいたというのですが、
私が作ったものは生臭いと言って食べません、どうしたらいいですか」の質問が来ます。
さらに、その次の日も子どもが空腹で、どうしたらいいという話が来ます。
たとえ話ですが、これに近い状況の相談者がいます。
実際の面談でも、「聞いていますか」と確認することがありますが、
そのたびに「聞いています」の返事です・・・・。
空腹で衰弱していくのは子どもです、
スーパーでサラダや総菜を買ってきてはどうですか・・・とも言うのですが、
この相談者はどうしても魚をさばきたいようです。
  
Posted by いとう茂 at 21:36Comments(0)

2023年10月22日

当事者が来てくれました

今日の面談は午前と午後の2名でした。
どちらの相談者とも前回の面談で、
子どもさんが来ることができれば一緒に来てください、とお願いしていました。
今日の面談には、当事者が来てくれました。
午前の当事者とは、親とえこーのスタッフでなぎさ公園まで散歩をしました。
適度な距離をとって、時々話しかけるだけでしたが、
いい天気で風も気持ちよく、ベンチに座ってぼんやり琵琶湖を眺めていました。
スタッフに安心感を持ってもらうのがスタートです、
あれこれ質問してしまうと当事者も緊張しますし、警戒心も抱きます。
そうなっては本心を聞き出すのが困難になります。
まずは合格のようで、外来魚駆除釣り大会にも参加してくれることが決まりました。
午後からの面談も親子で出席で、
親の方からは最近調子がいいようで一緒に来ました、ということでした。
季節の変わり目は不登校だけでなくひきこもりも、当事者にとっては要注意です。
この時期と春先に調子を崩す場合が多くあります。
この当事者は生き物が好きで、小さい犬に会いに来たと話をしてくれ、
そこからいろいろな生き物の話になりました。
犬や猫からトカゲから蛇、カエルの話まで、結構盛り上がりました。
この手の生き物の話なら、こちらも話題がいくらでもあります。
相談の話はそっちのけでした。
当事者が一緒だと親も話したいことが、話せないので仕方がないことです。
当事者がえこーを信用してくれれば、親が面談に行ってくると話しても、
安心していられます。
こちらも釣り大会に参加してくれそうです、次の釣り大会もにぎやかになりそうです。
  
Posted by いとう茂 at 20:28Comments(0)

2023年10月21日

駟(し)も舌におよばず

数日前、京都新聞を開くと、
東近江市長が不登校の責任は親にあると、発言した記事が目に入りました。
以下は、新聞とネットの記事から、市長の発言を引用しました。
「大半の善良な市民は、本当に嫌がる子どもを無理して
学校という枠組みの中に押し込んででも、学校教育に基づく、
義務教育を受けさそうとしているんです。」
「無理して無理して学校に行っている子に対してですね、
『じゃあフリースクールがあるならそっちの方に僕も行きたい』という
雪崩現象が起こるんじゃないか。」
「フリースクールって、よかれと思ってやることが、
本当にこの国家の根幹を崩してしまうことになりかねないと
私は危機感を持っているんです。」
そして、会議後にも「不登校になる大半の責任は親にある」と
発言していたといいます。
市長は「問題発言だとは考えていないので、撤回はしない」とも発言したようです。
この先撤回があるのか分かりませんが、論語の駟(し)も舌におよばずです。
駟とは昔の中国で最速の乗り物である、4頭立ての馬車です。
口から出た言葉は4頭立ての馬車でも追いつかない、と言う意味です。
過ちては改むるにはばかることなかれ、
過ちて改めざるこれを過ちと言う、そんな論語の一節もあります。
この発言に対して、滋賀県フリースクール等連絡協議会が
抗議文を発表して、市長に手渡したようです。
親の責任がどこまでなのかは確たる定義はないようですの
で分かりませんし、市長の考える親の責任も分かりません。
東近江市議会の通常会議で、令和3年と令和5年に質疑・一般質問で、
不登校について質問がありました。
この時の答弁を誰が行ったのかは知りませんが、おそらく
親の責任と言う言葉はなかったと思います。
この答弁を市長はどんな気持ちで聞いていたのかと思います。
現在の出席日数の取り扱いについては、フリースクールに
通うと学校の出席日数に加えられるようになっています。
ともあれ、今回の市長の発言で多くの親は苦しみと悲しみ
に包まれていることだけは確かだと思います。
  
Posted by いとう茂 at 11:13Comments(0)