2020年11月16日

思い出し遍路㊻

38番の足摺岬は遍路だけでなく観光客も多く、
境内は白装束以外の人も大勢いました。
お参りを済ませて外に出るとたくさんの仏さんが並んであり
次から次と遍路や観光客が境内に入っていきます。
帰りは民宿までバス移動と決めていましたので、
札所の前のレストランでバイガイをあてにビール、その後は
展望台や海岸を散策して民宿の前のバス停まで戻りました。

次の日は50キロ近い長い距離を歩く、無謀な一日になります。
歩いてきた道を戻り中村まで歩くか、途中で三原村に進路を
変えるか、一番遠回りは竜串から宿毛経由で39番の延光寺まで
行く道です。
四国をぐるっと歩いたという実感が欲しかったので、一番長い
竜串経由を選択、民宿から再び足摺岬の方に歩いてふるさと林道を
抜けてめじかの里土佐清水という道の駅を通り、竜串で少し
散策・・・・・ここでの1時間が後で影響してきました。
とにかく、太平洋を見ながら北へ北へ向かいます。
昼間に何を食べたのか記憶にありませんが、コンビニもなかった
ように思いますし、食堂もありませんでした。
ほとんど人が住んでいないような風景が続きます、叶崎の灯台が
見える展望台で休憩しましたが、そこからの景色が何とも言えず
美しく残っていましたので、車で回った時に立ち寄りましたが
その時は特別美しいとは思わず、これなら立ち寄らずに
美しい記憶のまま大切にとっておいたらよかった・・・・・。

このあたりで2時か3時だったと思いますが、宿泊はまだ20キロは
歩かないといけません、足は痛いし腰も痛い、なんでこんなことを
してるんやろう・・・・その疑問が何度も出てきます。
空から見れば小さな人間の粒がヨタヨタ歩いている、なにを
求めて歩いているのか、何も求めていません。
ただ歩くことが目的、誰も褒めてくれません、誰もが何で
そこまでして歩くの、そんなことを思うでしょうが、それでも
歩いている、非日常の出来事ですが四国を歩くということは
これが日常です。
大月の道の駅に着いた時には閉まっていました。
そこから1時間ほど歩いて民宿に到着、居酒屋も兼ねている
民宿の食事はおいしく、ウツボも初めて食べました。
疲れているのですぐに夢の中です、それでも5時前には自然と
目が覚めます。

昼までに延光寺でのお参りを済ませて宿毛から電車で高知駅まで
移動し、3時半の高速バスで京都まで帰らなくてはいけません。
1番の札所からはもっとも遠くに来ている感じです、他のルートなら
宿毛に着くのはもっと早かったのですが、このルートは宿毛を
いったん通り過ぎてもう一度宿毛に戻ることになります。
歩き遍路は一歩でも多く歩くことをしたくない、そう思う人が多いようで
私もそうでしたが、この時は四国をぐるっと歩いている、そんな実感と
叶崎の風景で満ちていました。
  
Posted by いとう茂 at 15:43Comments(0)