2017年08月01日

知的障害者が人生を教えてくれる工場②

知的障害者が人生を教えてくれる工場、日本理科学工業の
2回目です。

大山氏がある法要の席に出向いた時、隣に禅寺の住職が座った。
大山氏は何か話をしなければと思い、住職にこう話しかけた。
「うちの工場には知的障害を持つ2人の少女が働いています。
施設にいれば楽ができるのに、なぜ工場で働こうとするのでしょう」
住職は少し間をおいて、大山氏の顔をじっと見つめてこう答えた。

「人間の究極の幸せはなんだと思いますか。それは次の4つです。
人に愛されること。人に褒められること。人の役に立つこと。
そして、人に必要とされること。
愛されること以外の3つの幸せは、働くことによって得られます。
障害を持つ人たちが働こうとするのは、本当の幸せを求める人間の証しなんですよ」

大山氏はその話を聞いて、はっと気がついた。
2人の少女がなぜあれほど働くのか。
それは、働いて褒められ、人の役に立ち、人に必要とされることで、
生きる喜びを感じていたのだ。
大山氏は「少女たちが懸命に握りしめている『幸せ』を守らなければならない」と
強く思った。
そして、「少しでも多くの障害者に働く場所を提供しよう」と心に決めたのだった。
その思いは、50年間ぶれることがなかった。掲げた目標を見失うことなく歩み続けた結果、
今や知的障害者の雇用率は70%を超えるまでになった。
「理解力」に合わせて仕事のやり方を変えた
普通の会社は、できるだけ「優秀」な人間を採用したがる。
理想を言えば、一を聞いて十を知り、一つの命令で十の仕事をしてくれるような人間だ。
実際はそんな社員ばかり揃えられるわけはないのだが、
パフォーマンスの高い人間を雇いたいと考えるのは、会社として当たり前のことだ。
しかし、日本理化学工業が行ってきたことは、まったく逆である。
よほどの強い思いがなければ、50年にもわたって続けられることではない。
 同社は、文字や数字を理解できないような社会的「弱者」を抱えながら、
トップシェアを保ち続けてきた。
さぞかし並々ならぬ苦労があったことだろうと推察されるが、
大山会長は「言われるほど苦労はしていないんです。
私どもは恵まれていたんだと思います」と言う。
  
Posted by いとう茂 at 15:09Comments(0)